名古屋大学 高等教育研究センター



2016年度名古屋大学学生論文コンテスト

学問のススメ、論文へススメ。

学生生活にスパイスは足りていますか?
授業に出る、レポートを書く、試験勉強をする、
サークルに入る、友達と遊ぶ、本を読む、アルバイトをする・・・
まだまだもの足りない人へ
学問の香りのスパイスを贈ります
――さあ、論文へススメ!


■ 2016年度審査結果

2016年度名古屋大学学生論文コンテストの審査会を、2017年2月14日(火)に開催いたしました。松下裕秀理事・副総長、戸田山和久教養教育院長、森仁志附属図書館長、水谷法美高等教育研究センター長による厳正な審査の結果、次の論文が選出されました。

受賞した論文は、本学の研究成果物として名古屋大学学術機関リポジトリに登録されます。

▼ 最優秀賞

「日本におけるオオカミ(Canis lupus)野生復活の可能性」
農学部 生物環境科 鈴木華実さん

▼ 優秀賞

「LGBTs支援は企業にどのような影響を及ぼすか」
経済学部 安藤静花さん

▼ 優秀賞

「SNSといじめ〜現代のネットいじめとは〜」
法学部 石川武利さん

▼ 優秀賞

「若者言葉から見る若者の特徴-名古屋大学生への調査を通じて-」
文学部 人文学科 楠元莉加さん

▼ 受賞コメント

【鈴木華実さん】最優秀賞

この度はこのような賞をいただき、有難うございます。大学生になり、初めて書いた論文がこの様な結果となったことを嬉しく思います。

この学生論文コンテストは昨年度に知り、今回と同じテーマでの執筆を試みましたが、材料不足であったり、論文そのものの書き方が分からなかったりなどの理由から諦めてしまっていました。2 年生になり時間に余裕ができたことで様々な論文や文献、関連書籍を読む時間が取れ、自身の中で論文がどのようなものであるかが大まかにでも掴むことができたことが今年度の執筆に繋がりました。

この論文の主題である日本におけるオオカミの野生復活は、自分自身が大学入学以前から気になっていた問題です。広く知られているテーマでは無いものの、オオカミという動物自体の生態を含めよく知られていないからこそ、問いかけると大きく賛否の分かれる問題です。だからこそ書くにあたってはより多くの、国内外の、信頼のおける具体例や根拠を丁寧に示すことが重要だと思い、資料収集には注意を払いました。このテーマを論文という形でまとめることで、これまで自身が得た情報や考えていたことの整理をすることができたことも良かったと思っています。

このテーマに関してこれから自身が何をできるかまだ分かりませんが、今回論文を書いた経験はこの先の自身の卒業論文やその先にも繋がっていくと思います。これからも多くの論文や文献を読むことで先行研究を知り情報を蓄えると共に、常に様々なことにアンテナを伸ばし、関心の持ったことや疑問に感じたことについて自分の考えをまとめていくことが大切だと考えています。


【安藤静花さん】優秀賞

私は以前から人権問題について興味を持っており、特に大学入学後は、様々な人が長年にわたって人権問題に熱心に取り組みを行っていることを知りました。しかし一方で、日本社会の中には人権擁護の空気があまりなく、人権問題に取り組む人のことをよく思わない空気が多くあるように感じています。私は、そういった日本の空気は「人権問題に取り組むと経済的に不利益を被る」「人権に配慮していると非効率的になり経営に悪影響を及ぼす」と考える経営者が多いことが根底にあるのではないか、と考えました。そこで私は、いま日本のみならず国際的にも注目されている人権問題であるLGBTsと企業との関係性に注目して調査を行い、論文としてまとめることにしました。

論文の書き方が全く分からない状態からのスタートで手探り状態の連続ではありましたが、論文を無事に書き終えることができ、また、このように高く評価していただきとても嬉しく思います。お正月返上で書いていたので初詣には行けなくなってしましたが、自分が納得いくまで取り組めたことでとても良い経験になったと感じています。

このコンテストを通して、論文の書き方が学べたと同時に、今後もっと学びたいと思える分野について深く考えるきっかけを得ることができました。これらの経験を今後の大学生活での学びに活かしていきたいと思います。


【石川武利さん】優秀賞

本日はこのような賞をいただき、誠にありがとうございます。コンテストに応募することどころか、論文を書くこと自体私にとって初めての経験でした。アンケート調査や資料集めなど、苦労した点も多く、その分嬉しさもひとしおです。

また、SNSという、我々学生にとって身近なトピックについて、このコンテストを通して、改めて見直すことができたのもいい経験になったと思います。


【楠元莉加さん】優秀賞

この度はこのような賞に選んでいただき大変うれしく思います。ありがとうございます。

基礎セミナーの授業を通じて、論文の組み立て方を学び、丁寧な助言をいただきながら完成させることができました。この論文を書くにあたって一番力を入れたのはアンケート調査です。初めてアンケート調査を行い、結果をまとめ、集計をしたりと大変なことも多かったのですが、今後の自分の研究などに大いに役立つ経験ができました。

「若者言葉」というテーマは自分や自分の周りの人にとって身近な題材でした。しかし、アンケート結果からは思いのほか様々な事柄を得ることができ、自らの視野を広げる良いきっかけともなりました。

今後も多様な視点から物事を考察し、このような経験を学生生活に活かしていきたいと思います。

▼ 事務局から

2016年度の応募論文は全体として質が高く、それだけに選考に苦労したという事実をまずお伝えいたします。最優秀論文が選出されたことからも、質の高さがうかがい知れるかと思います。最終的に、応募16名の中から1名に最優秀賞、3名に優秀賞が贈られることになりました。

複数の受賞論文はいずれも、問いの明確さと論理構成が評価されました。

とくに最優秀論文については、論証型の論文において必要な要素のそれぞれについて高いレベルの評価を受けました。論題のわかりやすさ、課題の設定、論文構成と文章における論理性、国内外の幅広い文献の渉猟と適切な引用、筆者自身の明確な主張とその妥当性に関する反対意見も含めた検討などです。論理性の高い文章ながら、その行間にニホンオオカミ(=テーマ)に対する「愛を感じる」と評した審査委員もいました。

優秀論文としては、先行研究の課題を自分なりに整理したうえで、その課題に即して自分で調査を設計し実施した実証型論文が3件選ばれました。本コンテストでは、学部生が独自に行う調査である以上、母集団の選び方や数に一定の限界があることは仕方のないことと捉えています。その中で少しでも質の良いデータを取得しようとした努力や、その成果を分析して議論を深めていたことが評価されました。優秀論文の中には、学術的にもオリジナリティのある考察が示されていたものもありました。

次年度も学生論文コンテストの開催を継続します。たくさんの応募をおまちしております。


2016年度の募集は締切りました。ご応募ありがとうございました。

■ 応募要項

▼論文内容

応募論文においてとりあげるテーマ/問いを明確に記述したうえで、文献等を活用して論じてください。内容領域は問いませんが、当該領域を専門としない人にも理解できるよう記述してください。

▼応募期間

2017年1月13日(金)13時まで

▼応募資格

名古屋大学に在学する学部1・2年生

▼応募規定

  • 応募論文は、単著、未発表かつ日本語で書いたものに限ります
  • 審査対象論文は1人1編のみとします
  • 次項「応募方法」に掲載されている書式に従って、論文と応募用紙それぞれの電子ファイル(PDFまたはWord)を作成・提出してください

▼ 応募方法

  1. 論文本編と応募用紙の書式電子ファイル(PDFまたはWord)を当ページからダウンロードしてください
  2. 書式に従って論文と応募用紙を作成してください
  3. 論文本編と応募用紙の電子ファイル(PDFまたはWord)を、件名「2016論文コンテスト応募(応募者名)」で、下記メールアドレスへ期日内に送信して下さい

▼審査

本学教員による

▼表彰

数名に賞状及び副賞

▼結果発表

  • 2017年2月を予定
  • 発表に際し、入賞者の所属学科および氏名を公表いたします
  • 入賞作品は名古屋大学学術機関リポジトリに掲載いたします

▼その他

  • 論文作成のポイントしては次の資料(PDF)を参考にしてください。また、より詳細な論文の書き方に関する各種文献は、中央図書館2階ラーニングコモンズおよび高等教育研究センター(東山キャンパス文系総合館5階)にて閲覧することができます
  • 過去の入賞論文は名古屋大学学術機関リポジトリに掲載されています
  • 過去の受賞論文タイトル・テーマについては、以下のリンクから確認できます

■ 主催

名古屋大学 高等教育研究センター、教養教育院

■ 共催

名古屋大学 附属図書館

■ 協賛

コクヨマーケティング株式会社

名古屋大学消費生活協同組合

■ お問い合わせ先

名古屋大学高等教育研究センター 2015年度名古屋大学学生論文コンテスト事務局

Tel:
052-789-5696
E-mail:
info@cshe.nagoya-u.ac.jp
URL:
http://www.cshe.nagoya-u.ac.jp/ronbun/


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