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印刷物をつくる

印刷媒体には、比較的長続きする、保存しやすい、どこでも読むことができる、ターゲットを絞って配布できる、といった利点があります。

1 計画をたてる

投入すべき予算と人材、時間を考えに入れて計画を立てます。

  • ブローシュア、プレスリリース、ニューズレター、ウェブサイト、ポスターなどのデザインを統一するとよいでしょう。
  • ロゴを作っておくと、学会発表のポスターやスライドにも使えます。
  • シンプルに作る、もしくはデザインのプロの力を借りるのが一番です。
  • デザインをみんなで相談して決めようとするとろくなことになりません。誰か一人の人に最終決定の権限を持たせるべきです。

2 配布をどうするかを考えておく

せっかくブローシュアやニューズレターをつくっても、研究室の片隅に積んであるのでは意味がありません。どのように配布するかを考えなくてはなりません。

  • 郵送は費用の点からあまりおすすめできませんが、他にも配布するのがある場合は併せて送ればよいでしょう
  • メールに添付する、ウェブページからのダウンロードで配信する
  • イベントの際に受付で配布する
  • つねに少量持ち歩いて、名刺代わりに配布
  • 研究室の廊下などに「ご自由にお持ちください」として置いておく

3 制作する

ポスター

研究会やシンポジウムなどのイベントのために作ったポスターが研究室の片隅に眠っていませんか。プロジェクトや研究室の紹介ポスターとしての役割を持たせて作っておくと、研究室の廊下に貼り出したり、ウェブサイトに掲載したりできます。

ブロシュア

あなたの研究室、研究所、あるいは研究プロジェクトの概要をまとめ、PRに用いるための4ページほどの「パンフレット」です。プロジェクトの初期につくっておき、さまざまな機会をとらえて、名刺代わりに配布するとよいでしょう。考えられる配布先としては、同分野の研究者、政策・行政関係者、他分野の潜在的な連携研究者、産業界、メディア関係者などがあげられます。

ブローシュアには、必要最小限の重要な情報のみに絞って掲載します

  • プロジェクトの概要・目的
  • プロジェクトが目標とする結果とそのインパクト
  • プロジェクトの背景
  • 成果の社会への還元方法
  • 実施組織・メンバー

ブローシュアの更新はどんなに頻繁でも年に1回くらいでしょう。ですから、更新を必要とする最新情報の類は載せないのが賢明です。

ニューズレター

プロジェクトの途中経過や、研究室の近況を伝えるために発行します。ブローシュアは頻繁にアップデートできないので、それを補うという意味もあります。せっかく分厚い研究室のannual reportをつくってもほとんど読まれません。送られてもありがた迷惑になることが多いので、むしろ簡単なニューズレターをこまめに発行する方が広報手段としては有効です。

ニューズレターに掲載する内容は、プロジェクトメンバーだけに配布する場合と外部にも配布する場合で異なってきますが、外部に発信する場合には、たとえば次のような内容を盛り込みます。

  • プロジェクトの最近の成果(プレスリリースをアレンジすればよいでしょう)
  • 最近開催した講演会・研究集会などの報告
  • 講演会、研究集会などのお知らせ
  • メンバーの近況

年に3から4回の発行を目指しましょう。そのためには、できるだけ簡便なものにする工夫が重要です。

  • A4一枚で裏表くらいのものにとどめる
  • pdf化して、メールでも配信、ウェブページからのダウンロードでも配信する