名古屋大学 高等教育研究センター

第86回招聘セミナー これからの大学職員に求められるもの 大島 英穂 氏 大学行政管理学会会長・立命館大学教学部事務部長 2010年6月7日(月) 18:30〜20:00 東山キャンパス 文系総合館 7階 オープンホール

■ 講演要旨

大学をめぐる外部環境は大きく変化した。大学等への進学率の増加や市場原理の導入などにより、経営の健全化、利害関係者のニーズへの対応、多様化という基本的方向で大学改革が進められている。変化の激しい時代には、組織は的確なニーズを把握し、それを踏まえた改善・政策化ができ、それに合った速さで対応ができなければならない。

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外部環境だけではなく大学内部の環境も大きく変化している。非専任職員の割合が増加し、専任職員が担うべき領域が広範化するとともに、非専任職員を重要なパートナーと位置づけた対応が必要となる。雇用形態の多様化に対応し、「人」本位から「仕事」本位の組織デザインへとシフトし、多様な協働者と良好な関係をつくる人材マネジメントが求められるのである。

このような環境の中、職員には政策立案能力、工程管理能力、ネットワーク・コミュニケーション能力の三つが求められる。このような能力を開発するために、何が必要だろうか。現在の雇用環境においては、専任職員のOJTが成り立ちにくい。そこで重要となるのが、雇用管理制度の中で人材育成を位置づけるとともに、実践を通じた経験学習である。経験したことを内省し、さらに概念化して実践することによって成長する。これには仕事に対する信念の影響が大きい。学び方を学ぶことによって、問題と変化への対応が可能となる。このような経験によって、持論を持つことができ、それを他者に語ることによって、協働へと発展する。経験を理論とすり合わせることによって、持論の誤りを正し、次の段階へとつなげることができる。

また、情報は受け取る側の意味付けで価値が変わるため、個人の中で意味づけされることが行動へとつながる。したがって、対話によって個人の行動、さらには組織全体に影響を与えることが重要である。

このような対話、学びの場が大学行政管理学会である。異なる価値観・視野・発想と出会うことによって、他者を尊重して理解し、成長することができる。大学行政管理学会は、大学間連携が重要となる時代に、所属大学を軸に日本全体の大学のあり方、社会への貢献のあり方を考える場である。

■ 開催案内

第86回招聘セミナー

講演題目
これからの大学職員に求められるもの
講演者
大島 英穂 氏
(大学行政管理学会会長・立命館大学教学部事務部長)
日時
2010年6月7日(月) 18:30〜20:00
場所
東山キャンパス 文系総合館 7階 オープンホール

講演概要

今日、大学の教育研究や運営を巡る状況は、外部環境だけでなく、教職員の雇用形態が多様化するなど内部環境も変化している。このことは職員の業務も従来型業務が高度化・複雑化するだけでなく、専門性を求められる業務領域の拡大となっている。同時に、大学の公共性から、情報公開や各取り組みの説明責任を果たすことが重要になっている。このような環境の中で職員はどのような能力が求められ、またそれをどのように形成すべきかを考えてみたい。

お問合せ先
夏目 達也
info@cshe.nagoya-u.ac.jp
Tel:052-789-5696
ご参加いただける方は、事前に上記メールアドレスまでご一報いただけると助かります。会場準備の都合によるものですので、必須ではありません。
案内用ポスターPDFPDF

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