名古屋大学 高等教育研究センター

第88回招聘セミナー 大学職員の専門性とは何か 各務 正 氏 順天堂大学・総務局企画調査室部長 2010年7月7日(水) 18:30〜20:00 東山キャンパス 文系総合館 7階 オープンホール

■ 講演要旨

近年の文科省からの答申等において、大学改革における大学職員の果たす役割や、大学職員が有する大学経営や教育研究支援に関する能力等の活用が期待されている。そして、そのために必要な大学職員としての知識や技術等について、さまざまな視点から論じられているが、大学職員の専門性について、まだ定説はない。

セミナー写真

本セミナーでは、大学は職員に何を求め、職員は大学で何をしたいかという局面を注視し、大学における教育・研究や大学経営、社会への還元活動等に携わっている職員の日常業務の分析・検討から、職員の専門性を考えた。

職員を採用するとき即戦力として仕事ができれば最善である。現状の大学の多くは、仮の即戦力として採用し学内教育SDによって望ましい職員に育成している。本セミナーでは大学職員の専門性を、「大学運営and/or経営に関する業務を即戦力として実践できること」と定義し、専門性を支える4つの構成要素を次のとおり示した。職員業務のResponsibilityの軸として、①組織において自分の働く意義を理解し行動できること、②職務を果たす知識・能力等を持っていること、職員業務のAccountabilityの軸として、③組織構成員と業務目標達成のために必要な人間関係がうまくとれること、④自らのミッションに関して社会のstakeholderに真摯に語ることができることを、それぞれあげ、業務や知識をResponsibilityから、人間関係や社会との関係をAccountabilityから考える意義を説明した。

セミナー写真

大学における諸活動というものは、これらの職員の専門性における構成要素の各レベルの様々な組み合わせによって組織化され実行されているものであり、大学組織として職員に何をさせるかという需要要因が、4つの構成要素の各レベルを規定している点を解説した。

現在の職員業務は、部署単位の業務分掌が多く、個人の責任性は曖昧である。専門性と責任性とは表裏一体であることや、職員の専門性が職員における即戦力と責任性を支えていることを理解することで、職員の専門性を自分自身の問題として考えることのきっかけを示した。そのために今できることとして、職員一人一人の仕事について必要な能力や経験、資格等を研究し、責任性を組み込んで手順化すること、少なくとも自分自身の業務について作成するよう要請した。また、職員は専門性を有しているからこそ、職員として自信を持ち、大学で何をしたいか、どのような貢献ができるか、を常に自省することを求めた。

■ 開催案内

第88回招聘セミナー

講演題目
大学職員の専門性とは何か
講演者
各務 正 氏
(順天堂大学 総務局企画調査室部長)
日時
2010年7月7日(水) 18:30〜20:00
場所
東山キャンパス 文系総合館 7階 オープンホール

講演概要

大学職員の専門性については、さまざまな視点から論じられているが、まだ定説はない。しかし、近年の答申等において、大学改革における大学職員の果たす役割や、大学職員が有する大学経営や教育研究支援に関する能力等の活用が期待されている。本セミナーでは、大学職員の専門性を、組織において与えられた職務への実践力、職務遂行に必要な知識・技術の高さ、協働するための人間関係の構築性、社会的な職業倫理観という視点から検討する。

お問合せ先
西原 志保
info@cshe.nagoya-u.ac.jp
Tel:052-789-5814
ご参加いただける方は、事前に上記メールアドレスまでご一報いただけると助かります。会場準備の都合によるものですので、必須ではありません。
案内用ポスターPDFPDF

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