名古屋大学 高等教育研究センター

第70回客員教授セミナー 大学職員のジョブディスクリプションに関する
日米比較
秦 敬治 氏 愛媛大学教育学生支援機構・教授、教育企画室副室長 2014年2月6日(木)18:30〜20:00 名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館7Fオープンホール

■ 講演要旨

日本の大学職員の業務が事務分掌規程に沿って組織(課・係)レベルで進められているのに対し、アメリカの大学職員はジョブディスクリプション(Job Description;職務記述書)に沿って個々の大学職員の業務が決定されている。本セミナーでは、これら大学職員の業務や職務に関する取り決めが、どのような状況で、どのような影響を与えており、どのようなメリット、デメリットが見受けられるのかをアメリカの大学の事例調査をもとに日米比較を行い、参加者と共に日本の現状や課題も交えながら進めた。
具体的には、本セミナーで扱ったジョブディスクリプションの調査報告にたどり着くまでの研究過程を初めに説明した上で、日本の大学における事務分掌規程による大学職員の業務に関する長所と短所を洗い出し、参加者に投げかけた。

次に、アメリカのジョブディスクリプションの活用や大学職員のキャリア形成について調査報告を行った。アメリカでは、スペシャリストとしてのプロフェッショナル職員とジェネラリストとしてのプロフェッショナル職員が存在するが、ジェネラリストとしてのプロフェッショナル職員は、日本とは役割も育成・開発法も異なっていることを示した。その上で、日本とアメリカの職場における「チーム」の定義の異なりが働き方やキャリア形成に大きな影響を与えているのではないかという仮説をもとに、ワシントン大学バセル校の人事部や学生支援部の役職者、関係教職員のインタビュー結果を使いながらセミナーを進めた。日本では大学事務部門における「チーム」の定義は、課や係を示すことが一般的であるが、アメリカではセクションを超えて活用できる人材を集め、その都度「チーム」を構成し、業務をこなすケースが多い。このようなことが可能となる背景には、大学のミッションをもとにした大学職員それぞれのジョブディスクリプションの存在が強く影響している。このジョブディスクリプションの存在こそが、労・使、上司・部下がともに納得した上で、流動的な人材(人財)活用を可能としている、ということを紹介した。
上記のような説明を行ったうえで、アメリカの事例を踏まえながら、日本型の新たな人事マネジメントや業務の進め方などについて、参加者と議論を交わすことができた。

■ 開催案内

第70回客員教授セミナー

講演題目
大学職員のジョブディスクリプションに関する日米比較
講演者
秦 敬治 氏
(愛媛大学教育学生支援機構・教授、教育企画室副室長)
日時
2014年2月6日(木)18:30〜20:00
場所
名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館7Fオープンホール

講演概要

日本の大学職員の業務が事務分掌規程に沿って組織レベルで進められているのに対し、アメリカの大学職員はJob description(職務契約書)に沿って個々の職員の業務が決定されている。本セミナーでは、これら大学職員の業務や職務に関する取り決めが、どのような状況で、どのような影響を与えており、どのようなメリット、デメリットが見受けられるのかをアメリカの大学の事例調査をもとに日米比較を行うことで探っていく。

お問合せ先
info@cshe.nagoya-u.ac.jp
Tel:052-789-5696
ご参加いただける方は、事前に上記メールアドレスまでご一報いただけると助かります。会場準備の都合によるものですので、必須ではありません。
案内用ポスターPDFPDF

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