名古屋大学 高等教育研究センター

第124回招聘セミナー 教養教育のカリキュラムと
マネジメントの改革動向
吉田 香奈 氏 広島大学教養教育本部・准教授 2014年6月12日(木)14:00〜16:00 名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館5F センター会議室

■ 講演要旨

教養教育のカリキュラムの充実と実施組織・運営の安定化は、第二次世界大戦後に一般教育が導入された当初から続く大きな課題である。1991年の大学設置基準の大綱化によって授業科目区分が廃止され、各大学は特色ある教育課程を編成できるようになった。また、教養部に代わる新たな実施組織が設置され、様々な改革が行われている。

では、各大学は何を教養教育の目標に掲げ、どこまでそれを達成できているのだろうか。専門教育と教養教育が有機的に連関した学士課程カリキュラムの構築や学修成果の検証は進んでいるのだろうか。また、どのようなマネジメント上の課題を抱えているのだろうか。本報告では、2011年に全国の国公私立大学の教養教育実施組織代表者および学部長を対象として行ったアンケート調査と主要大学のケーススタディから、教養教育のカリキュラムとマネジメントの現状と改革動向について検討を行った。

アンケート調査からは、大綱化8年後の時点と現在を比較するとカリキュラム改革は沈静化・定着化しているが、重要視する教育目標やその達成状況は大学特性によって差があることが確認できる。また、予算・人的資源等は近年も今後も「変化なし」が最も多かったが、予算・専任教員数が減少する一方で専任一人当たり担当コマ数・非常勤講師数・開講科目数が増加すると予想する大学も多く、カリキュラムの充実に苦慮する様子が浮かび上がっている。運営上の課題としては「全学的な調整・連絡が難しい」「教員の負担が偏っている」と回答した大学が多く、国立大学、大規模、センター・機構方式の大学ほどその傾向が強い。

一方、学部長からみた教養教育は約3分の2が「問題がある」と回答しており、その最も大きな理由は「専門教育との連携が図られていない」(53.0%)であった。専門教育と教養教育の有機的連関は大きな課題であるが、現実にはなかなか進んでいないのが実情である。

最後に、国立大規模研究大学における教養教育の動向については、教養部の廃止以後、担当学部方式、委員会方式、機構・センター方式のいずれか又は組み合わせによって実施されてきたが、近年は実施責任組織が「機構・センター方式」に再編成され、権限や人員が強化される傾向が強まっている。また、カリキュラムについては要修得単位数の維持、初年次教育の充実、英語教育の少人数化、第二外国語の維持、文理クロス履修、高年次教養教育、大学院における教養教育に力を入れつつある。

以上の動向を踏まえ、最後に今後の教養教育の質の向上に向けた取り組みについて意見交換が行われた。

■ 開催案内

第124回招聘セミナー

講演題目
教養教育のカリキュラムと
マネジメントの改革動向
講演者
吉田 香奈 氏
(広島大学教養教育本部・准教授)
日時
2014年6月12日(木)14:00〜16:00
場所
名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館5F センター会議室

講演概要

教養教育のカリキュラムの充実と実施組織・運営の安定化は、第二次世界大戦後に一般教育が導入された当初から続く大きな課題である。1991年の大学設置基準の大綱化によって授業科目区分が廃止され、各大学は特色ある教育課程を編成できるようになった。また、教養部に代わる新たな実施組織が設置され、様々な改革が行われている。では、各大学は何を教養教育の目標に掲げ、どこまでそれを達成できているのだろうか。専門教育と教養教育が有機的に連関した学士課程カリキュラムの構築や学修成果の検証は進んでいるのだろうか。また、どのようなマネジメント上の課題を抱えているのだろうか。本報告では、教養教育実施組織代表者全国調査と主要大学のケーススタディから教養教育のカリキュラムとマネジメントの現状と改革動向について検討を行う。

お問合せ先
info@cshe.nagoya-u.ac.jp
Tel:052-789-5696
ご参加いただける方は、事前に上記メールアドレスまでご一報いただけると助かります。会場準備の都合によるものですので、必須ではありません。
案内用ポスターPDFPDF

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