名古屋大学 高等教育研究センター

第128回招聘セミナー 大学入試改革と日本的テスト文化の狭間で
−教育改革の実質的実現に向けて−
大塚 雄作 氏 独立行政法人大学入試センター・教授/試験・研究副統括官 2014年9月16日(火)16:00〜18:00 名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館7F オープンホール

■ 講演要旨

大学入試改革の議論が急速に進んでいる。そこでは、新たな入試のあり方として、達成度テスト(基礎レベル・発展レベル)、複数回受験、合教科・合科目型試験、CBT(Computer Based Testing)、外部試験(TOEFL、IELTSなど)活用、一点刻みの点数による選抜の回避等々、さまざまな提案が出されてきている。それらの多くは、海外や一部の領域では既に行われている実績もあるが、日本の大学入試という文脈のなかでどれだけ受け入れられるのかは微妙な部分を含んでおり、必ずしも実現するのは容易ではない。

入試改革は、その前後の教育を改善していくことが本旨であって、そのものが変わるだけでは意味がないし、また、長続きもしない。現に、多くの入試改革が試みられてきているにもかかわらず、ここに来て再び入試改革議論が再燃しているという事実が、そのことを如実に物語っている。さまざまな入試に関わる工夫が取り入れられても、結局、学力試験以外は結局長続きしてきていないという要因としては、次のようなことが考えられよう。一つは、入試はある種の測定が伴うにもかかわらず、教育測定・教育評価の基礎を踏まえた議論を経ていないという点、もう一つは、日本のテスト文化と教育文脈を踏まえる必要があるという点などである。また、大学のほとんどの教員は、入試がどう変わり、学生が何を学んできているのかというあたりに無頓着に、入試と関わりなく教育を進めてしまっているということも新たな入試の定着の障害となっていると考えられる。従って、入試改革を実質的に教育改革に結びつけ、それが定着していくためには、入試の前後の教育に関わる教育関係者のいわばFD(Faculty Development)が必要不可欠であり、また、入試や学生に関わる追跡調査等を地道に積み重ねていくことが肝要である。FDという言葉も、ブームが消え去ったかのように最近は色あせてきているようにも感じられなくはないが、入試改革を実現し、現実に教育が変わっていくということを目指すのであれば、その根底に、FDと入試に関わる研究体制をさらに充実していく必要がある。ここでは、教育評価・教育測定の視点と日本のテスト文化を背景として、入試に関わる一般言説が見逃している問題点を指摘しつつ、入試改革のあり方について考えてみることにしたい。

■ 開催案内

第128回招聘セミナー

講演題目
大学入試改革と日本的テスト文化の狭間で
−教育改革の実質的実現に向けて−
講演者
大塚 雄作 氏
(独立行政法人大学入試センター・教授/試験・研究副統括官)
日時
2014年9月16日(火)16:00〜18:00
場所
名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館7F オープンホール

講演概要

大学入試改革の動きが急速に進んでいるが、それを現実の教育改革に結びつけていくためには、克服すべきいくつかの課題がある。入試はある種の測定が伴い、教育測定・教育評価の基礎を踏まえることが望まれるという点、日本のテスト文化と教育文脈を踏まえる必要があるという点、そのためにFDと試験研究体制の整備が不可欠であるという点などである。そこで、それらの課題を整理しつつ、大学入試のあり方を改めて考えてみたい。

お問合せ先
info@cshe.nagoya-u.ac.jp
Tel:052-789-5696
ご参加いただける方は、事前に上記メールアドレスまでご一報いただけると助かります。 会場準備の都合によるものですので、必須ではありません。
案内用ポスターPDFPDF

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