名古屋大学 高等教育研究センター

第129回招聘セミナー 高等教育マネジメントのための組織論 Jay Dee 氏 マサチューセッツ大学ボストン校・准教授 2014年10月8日(水)16:00〜18:00 名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館7F オープンホール

■ 開催案内

第129回招聘セミナー

講演題目
高等教育マネジメントのための組織論
講演者
Jay Dee 氏
(マサチューセッツ大学ボストン校・准教授)
日時
2014年10月8日(水)16:00〜18:00
場所
名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館7F オープンホール

講演概要

本セミナーでは、事例を用いながら大学を複合組織として理解し、組織のパフォーマンスを高める方法を議論します。特に大学組織における組織構造、組織文化、組織変革、組織内のコンフリクト、組織戦略などの重要な論点について事例に沿って考察します。これらは大学の管理職、特にミドルマネジャーの方にとって有益な知見を提供するものと考えます。

■ 講演要旨

大学の組織を理解する際に重要な点は,5つの理論的な側面に注目することである。組織理論は,大きく分けると外部環境,組織構造,権限,人間関係,組織文化の5つの領域を扱う理論である。

外部環境とは,組織が置かれた社会的・政治的・経済的な仕組み全体を指し,大学においては政府の政策,他大学,資源の制約,学生やサービス対象者などがそれにあたる。組織構造は,組織内の部署や個人にどのように仕事と権限を配分するかの問題を扱い,大学内においては部署間の協働や情報共有,ルールや手続きの制度化,部署の統廃合などが具体的な例となる。人間関係は,組織内の個人の心理的な側面を扱うもので,動機づけ,職務への満足度,扱いの公平感,専門性や能力の開発などが重要な課題である。権限と政略は,組織内の個人や部署に対して行動変化を促す影響力を扱うもので,公式な権限と政治的な影響力の2つの影響力がある。大学内においては,限られた資源の部署間の配分とそれに関わるコンフリクトと,その解決のプロセスで発揮される影響力などが具体的な例である。組織文化は,組織の構成員が持っている価値観や考え方を指し,大学では新しいもの(制度,人材,考え方)を歓迎しなかったり,時代と逆行する価値観を重視したりする傾向があり,それへの対応を扱うこととなる。

こうした5つの側面を前提にして,実際に組織変革の事例について考えてみたい。ここでは,ある大学においてこれまで学部ごとに置かれていた学生相談員やIT技術者を全学オフィスに集約する改革を通じて,コストの削減と資源配分の効率化を目指した事例を扱う。一般に,組織デザイン理論に従えば,組織の集約化,分権化,マトリックス組織の3形態にはそれぞれメリットとデメリットがある。今回は分権化から集約化への移行となり,資源利用の非効率化と全学的な調整機能の不足というデメリットを,部署最適に陥る問題と学部の目標に対する説明責任が曖昧になるというデメリットに置き換えたものと理解できる。この2つのデメリットを比較し,リーダーにとってより扱いやすいデメリットにできたのであれば,この改革はうまくいったと考えてもよいだろう。今回の事例の大学では,多くの学部から強い反対があり,改革を主導した副学長はどのような対応をすべきか助言するというケースを扱ったが,集約化(現状維持),分権化(元に戻す),マトリックス組織(新たな改革)のどれもあり得る選択肢である。

組織の問題を考える際には,理論から得られるメリットとデメリットを理解した上で,5つの側面を考慮してより扱いやすい問題に転換できる選択肢を選ぶ意思決定を行えるとよいだろう。

お問合せ先
info@cshe.nagoya-u.ac.jp
Tel:052-789-5696
ご参加いただける方は、事前に上記メールアドレスまでご一報いただけると助かります。 会場準備の都合によるものですので、必須ではありません。

※このセミナーは英語で行います。日本語通訳はありません。
案内用ポスターPDFPDF

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