名古屋大学 高等教育研究センター

第76回客員教授セミナー 経済成長と社会的公正実現に寄与する高等教育
−インドの場合
ジョシ マヘンドラ キショア 氏 インド マハラジャ クリシュナクマリシンバーヴナガル大学経済学部 教授 2015年7月23日(木)16:30〜18:00 名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館5階 アクティブラーニングスタジオ

■ 開催案内

第76回客員教授セミナー

講演題目
経済成長と社会的公正実現に寄与する高等教育
−インドの場合
講演者
ジョシ マヘンドラ キショア 氏
(インド マハラジャ クリシュナクマリシンバーヴナガル大学経済学部 教授)
日時
2015年7月23日(木)16:30〜18:00
場所
名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館5階 アクティブラーニングスタジオ

講演概要

インドの高等教育の規模は大きく、機関数は世界第1位(大学約700校、カレッジ約 3.6万校)学生数は約2,960万人で第2位である。過去20年間に私立を中心に規模拡拡大 を続けてきたが、高等教育在学率は21.2%で依然低い水準にある。社会的公正の確保 に向けて多様な政策がとられているが、高等教育機会はジェンダー、人種、経済条件等 によって格差がある。本セミナーでは、高等教育のガバナンスや社会的公正問題に言及 しつつ、インドの高等教育の現状と今後の展開について明らかにする。


※このセミナーは英語で行います。日本語通訳はありません。

■ 講演要旨

高等教育は今や、経済成長を促進する主要な手段として広く認知されています。インドの高等教育機関はこの30年間に急成長を遂げ、その機関数は世界一、学生数は世界2位にまでなりました。独立以降の1950/51年から2013/14年にかけて、カレッジの数は695校から36671校に増え、大学は30校から712校に増えています。とくに飛躍的な増加がみられたのは、2000年以降のことです。カレッジの2000/01年から2013/14年の年平均成長率は8.4%でした。またオンライン教育を提供する機関が2000/01年の74校から2012/13年の197校へ増えています。このような機関数の増加は、多くの私立大学が設置されたことによるものです。州認可の私立大学は2000/01年には2校でしたが、2013/14年には165校となり年平均成長率は40.4%でした。

在学生数も増加しました。1950/51年の40万人から、2005/06年に1430万人、 2012/13年に2960万人となっています。該当世代の在学率は1950/51年の0.7%から21.2%に上昇していますが、先進国に比べれば低い状況です。また変化のスピードは概して遅く、直近の10年ほどだけが例外でした。この在学率増加の背景には、個人的および社会的な需要の高まりとともに、中等後非高等教育から高等教育への移行率の増加があります。ここでも私学における在学生数の増加がみられます。政府補助を受けない私立大学に在籍する学生の割合は2001年の32.9%から2013年の59.4%へと上昇しました。学部学生の専攻分野は人文社会科学系に大きく偏っています。

高等教育へのアクセスの公平性は、インドにおける重要な問題です。インド社会は、経済格差、旧カースト、宗教、地域、性差などによって幾重にも階層化されています。そのなかで原住民と不可触民が社会的に恵まれない二大グループであり、高等教育へのアクセスという点でもこの2グループは国の平均から大きく外れています。また都市にくらべて地方の在学率が低く、とくに低いのは地方のムスリムです。アファーマティブアクションや財政支援など公正を実現するためのさまざまな政府介入は期待されるほどの効果があがらず、性、民族、経済状況、地域によって、アクセスの不均衡が残っています。

現在のインドの高等教育が直面している課題は、質、公正、効率、財政です。質とアクセスのバランスを実現する適切なメカニズムが必要です。そのなかには私立大学を統制する明示的な政策と有効なガバナンスも含まれます。これらの内容を取り上げた政府の計画「新教育政策」により、インドの高等教育の改善が適切に計画実行されることが、社会および大学関係者から期待されているところです。

お問合せ先
info@cshe.nagoya-u.ac.jp
Tel:052-789-5696
ご参加いただける方は、事前に上記メールアドレスまでご一報いただけると助かります。 会場準備の都合によるものですので、必須ではありません。
案内用ポスターPDFPDF

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