名古屋大学 高等教育研究センター

第138回招聘セミナー データに見る初年次学習の重要性
−東京理科大学における調査から−
山本 誠 氏 東京理科大学 副学長・教育開発センター長 2016年12月1日(木)16:00〜18:00 名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館5階 アクティブラーニングスタジオ

■ 開催案内

第138回招聘セミナー

講演題目
データに見る初年次学習の重要性−東京理科大学における調査から−
講演者
山本 誠 氏
(東京理科大学 副学長・教育開発センター長)
日時
2016年12月1日(木)16:00〜18:00
場所
名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館5階 アクティブラーニングスタジオ

講演概要

東京理科大学では、入試成績、GPA、履修・出席履歴データ等に基づいて、全学生の入学から卒業に至る学力変化、成績が不振な学生の特徴について調査している。この結果、初年次の学習がその後の大学生活を決定していること、初年次6月第1週の出席状況が成績不振を特徴付けていることが明らかとなった。本講演では、本調査の経緯・結果の詳細について説明するとともに、この結果を受けて初年次学生に対して実施している各種対策を紹介する。


■ 講演要旨

東京理科大学では、入試の成績、各学年末のGPA、履修・出席履歴、家族との同居・別居の別などのデータを詳細に分析することにより、全学生(33学科、約3800名/学年)の入学から卒業に至る学力変化および成績不振な学生の特徴について、2008年度から継続的に調査している。この調査の結果、
(1)入試形態(A、B、C方式入試、推薦入試等)による差異がほとんどないこと
(2)女子学生の方が成績優秀であり、成績不振の学生も少ないこと
(3)入試の成績と卒業時の成績には相関が認められないこと
(4)初年次末の成績が卒業時の成績と強く相関すること
(5)成績不振な学生は総じて出席率が悪いこと
(6)成績不振な学生は初年次6月第1週から出席状況が急速に悪化すること
などの傾向が明らかとなった。


これらの結果を受けて、これまでにさまざまな対策を企画・実施している。まず、初年次の学習がその後の大学生活・学習を決定づけている(ただし、挽回のチャンスは何度もある)という結果を受け、初年次教育を充実させることを対策の中心に据えた各種取り組みを推進した。具体的には、推薦入学生を主な対象とした無料の入学前学習支援講座(通信制・通学制)の開講、新入生を対象としたアセスメントテスト・学習実態調査の実施、TOEIC-IPテストによる英語力の把握、高学年生をチューターとした学習相談室の開設、ロジカルライティングなど各種講座の開講を実施している。

一方、初年次6月第1週の欠席が成績不振につながるという結果を受け、6月第1週の出席状況が芳しくない学生に対する教員面談、学期末時点で成績不振な学生に対する教員面談、必修科目不合格者に対する再試験の完全実施(これまでは学部により対応が異なった)、全学科における担任制(専任教員が約10名/学年の学生を担当)の整備、といった各種対策を進めている。

東京理科大学において、データの収集・分析に基づく各種教育改革施策の企画・実施は未だその緒に就いたばかりであるが、退学者の減少など一定の成果が既に上がっている。今後、継続的にデータの収集や分析方法の見直しを行い、さらに効果的な教育改革に結び付けていくことを予定している。

お問合せ先
info@cshe.nagoya-u.ac.jp
Tel:052-789-5696
本セミナーに関する質問事項等があれば、上記のお問い合わせ先まで連絡をお願いいたします。
諸連絡
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