名古屋大学 高等教育研究センター

第150回招聘セミナー 大学のダイバーシティ・マネジメント:
日本の高等教育機関の課題
山田 礼子 氏 同志社大学社会学部長 2018年6月29日(金)15:00〜17:00 名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館5階 アクティブラーニングスタジオ

■ 開催案内

第150回招聘セミナー

講演題目
大学のダイバーシティ・マネジメント:日本の高等教育機関の課題
講演者
山田 礼子 氏
(同志社大学社会学部長)
日時
2018年6月29日(金)15:00〜17:00
場所
名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館5階 アクティブラーニングスタジオ

講演概要

近年、ダイバーシティ・マネジメントが企業の人事制度においては積極的に導入されつつある。ダイバーシティとは、個人や集団間にある様々な違い、いわゆる「多様性」を意味し、ダイバーシティ・マネジメントとは、経団連の2012年の定義によれば、「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営」とされている。このように日本では、企業のイノベーションにつながるための人事制度・経営と捉えられてきたが、高等教育機関においても、「ダイバーシティ・マネジメント」は重要な制度として浮上しつつある。

ダイバーシティ・マネジメントは「多様性の促進」という点から、米国の高等教育では1960年代から進捗してきており、かつ大学教育の効果という意味でも、「多様性の促進」は重要な要素であると捉えられている。一方、日本の高等教育機関では、外国人や女性研究者・教員雇用の数値的目標として「ダイバーシティ・マネジメント」が捉えられているようにも見受けられる。本発表では、これまでの米国でのダイバーシティを巡る動向を検討したうえで、日本の高等教育機関を対象に「ダイバーシティ・マネジメント」の課題について考察する。


■ 講演要旨

本セミナーでは、米国でのダイバーシティを巡る動向を検討したうえで、日本の高等教育機関における「ダイバーシティ・マネジメント」の現状と課題について検討した。

近年、ダイバーシティ・マネジメントが企業の人事制度において積極的に導入されつつある。ダイバーシティとは、個人や集団間にある様々な違い、いわゆる「多様性」を意味する。外見から識別可能な「表層的ダイバーシティ」に加え、外見からは判断しにくい「深層的ダイバーシティ」をも含むもの、さらには個性をも包括するものとして捉えられている。日本では、女性や外国人の労働参加がダイバーシティの視点から着目されているものの、他国と比較して多くの課題があることが指摘されている。

ダイバーシティ・マネジメントは「多様性の促進」という点から、米国の高等教育では「アファーマティブ・アクション(AA)」として1960年代から実施されてきた。AAは教育制度にマイノリティを組み込むことにより組織自体の変革を促すプロセスであり、「多様性の促進」が大学教育改善にも効果をもたらすと肯定的に捉えられてきた。

ダイバーシティ・マネジメントは、数値目標というよりは、「変革」という組織の改善プロセスを推進するものである。しかしながら、日本の高等教育機関では、外国人や女性研究者・教員雇用の数値的目標として「ダイバーシティ・マネジメント」が捉えられているようにも見受けられる。今後、日本の高等教育は、形式を重視する現在のダイバーシティ1.0から、実質性を重視するダイバーシティ2.0への移行を実現することが求められる。

講演の後、本セミナーで参加者とディスカッションをおこなった。議論では、「無意識な偏見とは?」「“ポジティブ・アクションは、特定の人々の集団を優遇するので、許されるべきではない”との意見に賛成か?反対か?」「多様性と仕事の能力との線引きはどこにあるか?」「一般入試による多様性確保は可能か?」といった視点を中心に、多くの意見が交わされた。日本の高等教育のダイバーシティ・マネジメントのあり方や課題について認識を深める、意義のある議論が行われたと考える。

申し込み方法
  本セミナーへのご参加を希望される方はセミナー参加申込フォームから必要事項をご入力下さい。その際にご入力頂いたメールアドレスへの返信をもちまして、申込完了となります。
お問合せ先
info@cshe.nagoya-u.ac.jp
Tel:052-789-5696
本セミナーに関する質問事項等があれば、上記のお問い合わせ先まで連絡をお願いいたします。
諸連絡
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