名古屋大学 高等教育研究センター

名古屋大学スーパーグローバル大学創成支援事業FDセミナー 英語による授業の準備とコツ 大坪 庸介 氏 神戸大学人文学研究科・准教授 2018年11月22日(木)16:30~18:00 名古屋大学 東山キャンパス文系総合館 5階 アクティブラーニングスタジオ

■ 開催案内

名古屋大学スーパーグローバル大学創成支援事業FDセミナー
※ 会場の定員に達したため、申込受付を終了させていただきました

講演題目
英語による授業の準備とコツ
講演者
大坪 庸介 氏
(神戸大学人文学研究科・准教授)
日時
2018年11月22日(木)16:30~18:00
場所
名古屋大学 東山キャンパス文系総合館 5階 アクティブラーニングスタジオ
対象
英語での授業に関心を持つ本学教員

講演概要

留学未経験者にとって、英語での授業担当は不安を感じる仕事の1つです。このセミナーでは、英語での授業に関心を持つ教員を対象に、はじめての英語での授業にどう備えたらよいかを議論します。質疑応答の時間を十分にとることで、講師の授業経験を参考に、日本人教員が不安を感じる点についての情報交換に重点を置きます。また、ハンドアウトや板書の英語化など、部分的に英語による授業を取り入れている教員にとっても有益なセミナーです。

講師の大坪先生の専門は心理学で、現在英語による授業を担当されているほか、教科書として『英語で学ぶ社会心理学』(大坪庸介、アダム・スミス著、有斐閣、2017年)を出されており、いきなり英語文献で学習するには抵抗のある人向けの教材を作成した経験をお持ちです。


■ 講演要旨

初めて英語で授業を担当することは、日本人教員にとって不安を感じる仕事である。それでもいつか担当しなければならないなら、できるだけ進んで準備しておく方が自分のモチベーションを保つためにもよい。そこで、まずは自分の気持ちのハードルを下げることから考えてみるとよい。たとえば、日本人学生が相手なら、授業を完全に英語化する必要はない。ハンドアウトのみ、板書のみ、口頭説明のみなど、部分的な英語化からはじめてもよい。また、日本語の講義と同じ内容を話す必要もない。むしろ、英語で行う方が、準備に時間を要したり、話すスピードが遅くなるため、多すぎる講義内容が厳選され、授業が改善される効果がある。さらに、Broken Englishでも気にしないことが重要だ。学生が将来英語でやりとりする相手は、非ネイティブの方が多いはずだ。自分もそうした相手の一人だと思えば、むしろ学生のためになるとも考えられる。

講義の準備では、まず同じ分野の授業をMOOCで視聴し、話し方や授業の構成を学ぶことから始めた。内容はわかっているので、英語での授業で使える表現を学ぶ上でとても役に立つ。edXなどで探せばほとんどの分野の授業があるし、字幕が出るものもあり、参考になる。その上で、講義では図を多用する資料準備を心がけた。英語がわからなくても、図表から何が言いたいかがある程度わかる上、図表の説明は型にはまった英語なので、こちらもやりやすい。

実際の講義では、一つのポイントを20分程度で話す制限時間を設けた。これを3つくらい入れることで、90分の授業を構成する。また、講義前に内容に関連した新聞記事や教科書のコラムを英文で読んでもらったり、TEDトークなどの英語ビデオ視聴を学生に課した。予習してもらうことは、自分の英語が伝わるかの不安を和らげる上でも効果的だ。さらに、授業の最後に5~10分でできる理解度チェックテストを毎回行った。その日のポイントが確認できるもので、穴埋め、正誤、多肢選択など採点が簡単なものと、短い記述試験である。予習に含まれる内容を問題に出すことで、予習を促すこともできる。

英語圏で教える教員でも、授業の台本を書いているという日本人教員もいる。初めて担当する際は、台本を書いたり、PowerPointのノート欄に英語表現のメモを入れるなどは試す価値がある。また、事前にリハーサルをするのも効果的である。

定員
  20名程度
申し込み方法
※ 会場の定員に達したため、申込受付を終了させていただきました
お問合せ先
info@cshe.nagoya-u.ac.jp
Tel:052-789-3534
(セミナー専用)
本セミナーに関する質問事項等があれば、上記のお問い合わせ先まで連絡をお願いいたします。
案内用ポスターPDFPDF

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