名古屋大学 高等教育研究センター

第159回招聘セミナー 文系を対象とする研究支援業務の必要性とその実際 小金丸 貴志 氏 名古屋大学学術研究・産学官連携推進本部 URA 2018年11月29日(木)18:00〜19:30 名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館5階 アクティブラーニングスタジオ

■ 開催案内

第159回招聘セミナー

講演題目
文系を対象とする研究支援業務の必要性とその実際
講演者
小金丸 貴志 氏
(名古屋大学学術研究・産学官連携推進本部 URA)
日時
2018年11月29日(木)18:00〜19:30
場所
名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館5階 アクティブラーニングスタジオ

講演概要

大学の研究支援業務において、人文社会系をどう位置付けるかについては、いまだに広く認識が共有されてはおらず、事実上業務の対象外としている大学も多い。だが、文系部局を擁する大学が外部資金獲得拡大やマネジメント改善を目指すとき、文系をどのように取り込むか、何を目標とし、どのような業務の手法がありうるか等々は、いずれ関心事となるのではないだろうか。名古屋大学の文系担当URAとしての業務経験をもとに、これらの基本問題について改めて考えてみたい。

■ 講演要旨

URAは2011年以降に文科省主導で整備が始まってからまだ10年も経過していない業界と言える。その中で文系(人文社会系)を担当するURAは、正確な数字は分からないがせいぜい1〜2割程度ではないだろうか。特に文系専任として仕事をする者は少ない。自分も着任当初、「文系担当はどんな仕事をしているのか?」と同じ職場内からも聞かれることが少なくなかった。URAの研究支援としては、各領域の研究強化戦略の立案や実施支援、若手研究者の育成、競争的資金の獲得支援、研究成果の広報支援等が業務メニューとなっているが、文系については当初、「仕事の進め方も含めて考えてくれ」と言われたのが実態である。

そうした中で力を入れてきたことは、タコ壺と評されるように外部からは実態を窺い知ることの難しい文系研究者を一人ひとり個別に往訪することである。「研究者を知らないURAに価値はない」との考えから始めたもので、足で稼ぐ以外になく時間もかかるが、実行してみるとURAの強みにつながる取り組みとなった。文系研究者同士は相互の研究がわからず、特に部局をまたぐと接点すらないことが多いため、学内で文系研究の全容を把握できる者がいない。そこで研究者にメールでアポを取り研究室を往訪して、外部資金や研究内容について1時間ほど話を聞く取り組みを続け、部局横断的に情報を蓄積してきた。当初は約350人を対象としたが、その相当部分とお会いすることができている。

往訪を重ねることの成果はなかなか見えないためすぐに評価は得にくく、また個人情報を含むために公開も共有もできないが、今後の大学マネジメント改善において重要な役割につながる可能性がある。たとえば、経営側は文系研究の強みが何かを把握する必要があると考えるが、実際には経営側にはそれを知る手段がほとんどない。その際、URAが得た知識が活用できる可能性がある。また、事務職員は研究者の研究自体にはあまり関心がなく、法令に基づく行政を優先する半面、営業的なマインドを持たない傾向があるが、URAにはそれを補う意味もあるかと思う。

このように考えると、文系の研究支援では、(1)研究経験があり、研究者の研究内容を理解できること、(2)営業マインドがあり、外部資金を得るための支援ができること、の2点が重要と考える。ただ、研究歴と社会人経験を兼ね備えることは、理系では比較的例が多いものの、文系の場合にはなかなか簡単でない。今後他大学で文系支援業務を拡大する場合、URAとして専任者を置くのでなければ、事務職員がURA機能を担って行ってもよいだろう。その場合、事務職員は優秀な官僚であり能力面は問題がないが、研究や営業についてのマインドの転換が求められると思う。財源の多様化や大学の強みを生かした経営のためにも、文系研究支援は今後その重要さを増して行くと考えている。

申し込み方法
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お問合せ先
info@cshe.nagoya-u.ac.jp
Tel:052-789-3534
(セミナー専用)
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