名古屋大学 高等教育研究センター

第164回招聘セミナー
第11回「アドミッション担当教職員支援セミナー」
フランスにおける高大接続改革の現状と課題 Saeed PAIVANDI 氏 フランス ロレーヌ大学・教授 2019年2月28日(木)15:00-17:00 名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館5階 アクティブラーニングスタジオ

■ 開催案内

第164回招聘セミナー
第11回「アドミッション担当教職員支援セミナー」

講演題目
フランスにおける高大接続改革の現状と課題
講演者
Saeed PAIVANDI 氏
(フランス ロレーヌ大学・教授)
日時
2019年2月28日(木)15:00-17:00
場所
名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館5階 アクティブラーニングスタジオ

講演概要

フランスでは、2021年夏に実施のバカロレア試験(=高校修了・高等教育入学資格認定試験)に向けて、改革の準備が進められている。高校での所属コース(普通科・技術科・職業科等)による試験科目等の細分化の見直し、高卒時の全国一斉試験中心から校内審査の導入等である。背景には、高等教育進学率の上昇による学生の学力・意識の多様化がある。改革に伴う高等教育機関の対応や入学後の学生の勉学状況への影響等を考える。


※このセミナーは日本語による通訳付きで行います。

■ 講演要旨

講演は、「高校から大学への移行という挑戦に直面した大学」と題して行った。 フランスの高等教育制度は、入学者選抜を実施する機関と実施しない機関に大きく分かれる。本講演で取り上げる大学は、高校修了を認定するバカロレア試験合格者を、原則無選抜で入学させている。

大学以外の教育機関が選抜により学生の学力がある程度一定に保たれるのに対して、大学は従来から学力や学習意欲の面で問題を抱え、留年・中退をする学生が多かった。政府の高等教育拡大政策の影響により、近年、高等教育学生が増加する中で、厳しい状況が続いている。学士課程では正規の3年で修了できる学生は27%に過ぎない。

状況改善のために、2018年に政府が行った改革では、大学でも一定の入学制限を行うこととして、学生入学希望に対して、リメディアル教育受講等の条件付きで入学を認めることになった。また、学業困難を抱える学生に対して従来以上に丁寧な指導・支援を行う。その内容は、正課活動と正課外活動に分かれる。正課活動に関するものとしては、チュートリアル、学習方法修得の指導、キャリア計画立案の指導、学生同士の協同学習、ICT学習等を行う。指導に当たる教員に対しては、FDなどを実施する。とくに、「伴走型支援」として、上級学生が少人数の学生に寄り添い、学習や学生生活について丁寧な指導を行うことが注目される。正課外としては、文化・スポーツ活動や学生団体への参加等がある。

国レベル設置される学生生活観察センター(OVE)は、学生の勉学状況を定期的に調査しており、各大学が学生の指導を行う際の参考にできるようにしている。この調査によると、授業に対する満足度は全般に高いが、教育機関や専攻分野による差異がみられる。授業に対する満足度は高いが、伴走型支援に対する満足度は全般にやや低い。また、グランド・ゼコール準備級やグランド・ゼコールでは満足度が高いのに対して、大学では低い。

学生の学習を支援するためには、以下の点が重要となる。①学生の勉学や学生生活の実態を正確に把握すること(とくに初年次学生)、②各種調査による結果をふまえて、学生のニーズに合致する内容を用意すること、③各種の支援活動の内容を学生が理解し利用しやすくすること、④正課と正課外の両面から支援を充実させること等である。

申し込み方法
 本セミナーへのご参加を希望される方はセミナー参加申込フォームから必要事項をご入力下さい。その際にご入力頂いたメールアドレスへの返信をもちまして、申込完了となります。
お問合せ先
info@cshe.nagoya-u.ac.jp
Tel:052-789-3534
(セミナー専用)
本セミナーに関する質問事項等があれば、上記のお問い合わせ先まで連絡をお願いいたします。
諸連絡
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