名古屋大学 高等教育研究センター

第168回招聘セミナー 米国大学における
成人向け教育プログラムの展開と課題
五島 敦子 氏 南山大学教職センター 教授 2019年6月28日(金)15:00−17:00 名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館5階 アクティブラーニングスタジオ

■ 開催案内

第168回招聘セミナー

講演題目
米国大学における成人向け教育プログラムの展開と課題
講演者
五島 敦子 氏
(南山大学教職センター 教授)
日時
2019年6月28日(金)15:00−17:00
場所
名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館5階 アクティブラーニングスタジオ

講演概要

人生100年時代の働き方が再考されている今日、大学には、社会人の学び直しの機会拡充が求められている。米国の大学は、歴史的に大学が社会人の教育ニーズに応えてきたが、近年は、オンライン教育を活用して学習を細分化したり、社会人経験を単位認定したりすることで、個別のニーズに応える柔軟な学位プログラムが開発されている。本セミナーでは、これらの動向を踏まえ、各大学がどのように成人学生をサポートしているかを明らかにする。

■ 講演要旨

人生100年時代の働き方が問われる今日、何度でも学び直しができる機会が必要とされている。しかし、日本の大学における成人向け教育プログラムは発展途上であり、25歳以上の入学者割合もOECD加盟国と比較して著しく低い。これに対し、米国では、1970 年代から学外学位制度やウィークエンド・カレッジなどの柔軟な学修制度が開発されてきた。高校卒業直後に進学する伝統的学生とは異なり、ニーズが明確な「非伝統的学生」の増加は消費者志向を高め、実学的なカリキュラムへの転換を促した。近年は、授業料高騰や学生ローン負担増により、働きながら学ぶ若年成人が増え、「新しいマジョリティ」と呼ばれている。しかし、中退率の増加や修学期間の長期化が問題となり、低コストでフレキシブルな学位プログラムが求められている。そこで、学習経験を単位化する経験学習単位(Prior Learning Assessment:PLA)や学習者のコンピテンシーによって単位を認定するコンピテンシー・ベースド教育(Competency-based Education:CBE)など、短期間で柔軟に学べるプログラムが開発されている。

大学において成人の学びを歴史的に担ってきたのは、継続教育部(Division of Continuing Education)と呼ばれる部局で、趣味・教養、専門職資格、企業研修、高大連携、語学教育など、多様な事業を展開してきた。現在は、市場のニーズにもとづいてPLAやCBEを活用した新しいオンライン学位プログラムを設計し、学生募集からプログラムの検証までを管理する一方、教員への技術支援や資金調達も担っている。また、オンライン・リソースを共有して大学間の連携を強化し、成人学生専用支援部局を設けて手厚いサポートを提供することで、世界中から学生を引き寄せる役割を果たしている。

以上のように、米国大学の成人向け教育プログラムは、高等教育の拡大と革新の原動力であり、成人学生を消費者とみなすビジネス・モデルで発展してきた。市場化のダイナミズムのもと、奨学金給付拡大政策により、公的領域としての高等教育の中に継続教育部が組み込まれたとみることもできよう。しかしながら、グローバル市場に対応するスキル獲得のための分節化した学習だけでは、学習者が既存の価値を問い直す余裕に乏しい。したがって、成人が社会的・政治的課題に真摯に向き合い、自らの存在を意識化する機会をどのように生み出していくかが課題といえよう。

申し込み方法
 本セミナーへのご参加を希望される方はセミナー参加申込フォームから必要事項をご入力下さい。その際にご入力頂いたメールアドレスへの返信をもちまして、申込完了となります。
お問合せ先
info@cshe.nagoya-u.ac.jp
Tel:052-789-3534
(セミナー専用)
本セミナーに関する質問事項等があれば、上記のお問い合わせ先まで連絡をお願いいたします。
諸連絡
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