名古屋大学 高等教育研究センター

第99回客員教授セミナー 中国の大学における教養教育の現状と課題 陸 一 氏 中国 復旦大学高等教育研究所 准教授 2020年3月12日(木)15:00-17:00 名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館5階 アクティブラーニングスタジオ

■ 開催案内

こちらのセミナーは、新型コロナウィルス感染症の流行を受け、参加者皆様の健康・安全面を最優先に考えた結果、中止とさせていただきました。ご理解のほど何卒よろしくお願い申し上げます。

第99回客員教授セミナー

講演題目
中国の大学における教養教育の現状と課題
講演者
陸 一 氏
(中国 復旦大学高等教育研究所 准教授)
日時
2020年3月12日(木)15:00-17:00
場所
名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館5階 アクティブラーニングスタジオ

講演概要

中国の大学教育では、専門的・実践的な内容が重視される一方、文化を涵養する教養教育の観点が見落とされてきた。近年、高等教育の大衆化が進む中で、教養教育の改革が進められている。復旦大学、北京大学や清華大学などのトップ大学だけでなく、理工系、産業型、地方教育型の大学でも教養教育の充実に向けて改革が進んでいる。本セミナーでは、全国各地の大学で進められている教養教育改革の背景、現状、課題について明らかにする。

※このセミナーは日本語で行います。

■ 講演要旨

日本や西洋諸国の大学における教養教育は、リベラルアーツの伝統から生まれたと考えられる。一方、中国の大学における通識教育は、中国の歴史的・文化的な背景を踏まえた独自の意味を持つ。歴史を振り返れば、1952年から1980年代までは高度で専門的かつ実践的な内容のみに焦点をあてる「ソ連式」の高等教育が展開されていた。1990年代に入ると、ソ連式の理工系人材養成偏重の欠点を補うために、高等教育に文化的側面の涵養を目指す「文化素質教育」が取り入れられた。2000年代には、人文学者たちによる熱心な活動やエリート大学による自発的な改革によって「通識教育」が制度の形成期を迎えた。2010年代から現在は、大学通識教育連盟の発足(2015年)や、政府による『五年計画要綱』に初めて「通識教育」の語が使われるなど、教養教育=通識教育改革の展開と強化の時期にある。

中国の場合、急速な高等教育の大衆化の時期と、通識教育の振興の時期が重なっている点に注目すべきである。通識教育は専門教育偏重の欠陥を補うために導入された経緯があり、「通識と専門の有機的な結合」が課題とされたものの、あくまでもその対象はエリート教育のみだった。しかし、通識教育の成熟を待たずして高等教育の大衆化が進んだため、エリート教育における「通識と専門の有機的な結合」と大衆教育における「通識と専門の有機的な結合」という二つの課題に同時に中国高等教育は直面することとなった。

以上の課題を踏まえ、北京大学、清華大学、中山大学、武漢大学、中国海洋大学といった10校のエリート大学を対象に、通識教育改革の調査を報告者は行った。また、上記のエリート大学と地方国立大学(専科大学を除く)を対象として、通識教育カリキュラムの質的評価に関するプロジェクトも担当し、合計11大学の通識教育カリキュラムにおける教学の実態を把握した。

調査の結果から明らかになったことは、以下の点である。①エリート教育と大衆教育、文化の伝統と革新、ファカルティと授業、カリキュラムの構造と質に関して中国の大学は様々な課題に直面していること、②復旦大学、北京大学や清華大学などの中国のトップ大学は通識教育改革において独自の取り組みを行っていること、③理工系、産業型、地方教育型の大学もこのトレンドに乗って学部教育の方向転換を求めつつも、同時にエリート大学と大衆大学の序列化が進んでいること。

申し込み方法
こちらのセミナーは、新型コロナウィルス感染症の流行を受け、参加者皆様の健康・安全面を最優先に考えた結果、中止とさせていただきました。ご理解のほど何卒よろしくお願い申し上げます。
お問合せ先
info@cshe.nagoya-u.ac.jp
Tel:052-789-3534
(セミナー専用)
本セミナーに関する質問事項等があれば、上記のお問い合わせ先まで連絡をお願いいたします。
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