名古屋大学 高等教育研究センター

第191回招聘セミナー ドイツにおける⼤学制度改⾰と教員養成
-学⼠・修⼠課程の導⼊と教員養成の質的向上策をめぐって-
吉岡 真佐樹 氏 京都府⽴⼤学公共政策学部 教授 2020年11月26日(木)15:00-17:00

■ 開催案内

第191回招聘セミナー

講演題目
ドイツにおける⼤学制度改⾰と教員養成
-学⼠・修⼠課程の導⼊と教員養成の質的向上策をめぐって-
講演者
吉岡 真佐樹 氏
(京都府⽴⼤学公共政策学部 教授)
日時
2020年11月26日(木)15:00-17:00

講演概要

ドイツの⼤学は、ボローニャ協定(1999 年)に基づいて、学⼠・修⼠課程の導⼊に象徴される構造的な改⾰を⾏いました。このなかで教員養成制度も⼤規模な改⾰を迫られました。同時にこの時期、教員養成制度は、⽣徒の学⼒不振の実態を突きつけられて(「PISAショック」)、質的向上のための改⾰を厳しく求められてきました。修⼠課程にまで拡⼤した⼤学の教職課程が、⼤学制度そのものにどのような影響を与えたか、検討します。


本セミナーは ZOOM によるオンラインで開催します。オンライン参加が可能であることをご確認の上でお申し込みください。

オンライン参加の要件等
・カメラ・マイクが利用可能で、高速なインターネットに接続されたPC等が用意できること。
・発言等ができる静穏な環境で参加できること。

■ 講演要旨

ドイツの教員養成制度は19世紀以来の発展の結果として二つの構造的特徴を持っている。第1は、大学での学修、すなわち理論的学習の段階と、それに続く「教員試補」としての実践的学習という二つの段階から構成されることであり、そして第2には、この第1段階の養成は、原則として総合大学において行われるということである。

一般に中等学校教員は各学部で、初等学校教員は教育学部において養成されるが、学修の修了形態は、教員志望者の場合、学位取得ではなく、各州が行う「第1次国家試験」(中心は論文提出)に合格することであった。教員志願者は、比較的「自由」に学習していた。そしてこの合格者が、試補勤務に入り、教員研修所での養成と実習校での訓練を経て、「第2次国家試験」に合格して正規の教員資格を獲得するしくみとなっていた。

これに対して、90年代末以降、教員養成制度改革に対する強力な改革圧力が働くこととなった。まず第1には、「ボローニャ宣言(1999年)」に基づくドイツの大学制度改革であり、第2には、いわゆる「ピザ(PISA)ショック」とそれに連動する教員養成の質的向上策をめぐる議論である。

宣言以降の10年間、各州は新たな教員養成法を作り、新体制への移行を計った。学士、修士の教育内容が確定されるとともに、試補制度および国家試験の内容・方法が改革された。ただし、修士課程で行われる実践研究のあり方と試補期間の関係についての議論は、まだ十分に決着はついていない。

そしてこの10年間は、大学での教員養成の機構改革が活発化している。その象徴となったのは、連邦政府が推進する「教員養成の積極的質向上プログラム」である。それは、政府と州が共同して、2014~2023年の間に改革を実施する大学の約50件のプロジェクトに対して総計600億円を支出するというものである。改革のキーワードは、「専門科学、教科教授法、教育諸科学および実習教育の向上と連携」、「大学での養成と試補期間の養成との連携」、「多様性と包摂」などであり、そして大学の「教員養成センター」あるいは新設の「教育学院(School of Education)」を発展させるというものである。これらの改革はまさに現在進行中である。このような動向は、わが国の教員養成制度改革を考える際に有益な示唆を与えるものとなっている。

申し込み方法
 本セミナーへのご参加を希望される方はセミナー参加申込フォームから必要事項をご入力下さい。その際にご入力頂いたメールアドレスへの返信をもちまして、申込完了となります。
定員
90名(申込締切 11月12日)
参加方法
後日参加申込された方にお知らせします。参加案内はセミナー開催の2日前までにお送りします。届かない場合は下記までお問い合わせください。
お問合せ先
info@cshe.nagoya-u.ac.jp
Tel:052-789-3534
(セミナー専用)
本セミナーに関する質問事項等があれば、上記のお問い合わせ先まで連絡をお願いいたします。
諸連絡
※いただいた個人情報は、本企画運営の目的にのみ使用いたします。
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