名古屋大学 高等教育研究センター

第8回招聘セミナー 「オーストラリアの大学改革」 Higher Education in Australia エドウィン・ブランビー 氏 ディーキン大学遠隔学習センター長 1999年 10月27日(水) 13:30- 名古屋大学高等教育研究センター 会議室


■ 講演要旨

 オーストラリアの高等教育は、この10年間で劇的な構造変化を遂げた。すなわち、1960年代に導入された大学と高等教育カレッジ(Colleges of AdvancedEducation, CAE)からなる二元制の高等教育システムは、1989年に「全国一元制度」(Unified National System)に切り替えられた。これにより、高等教育機関の統合・合併が促進され、大学間競争に拍車がかかった。現在のオーストラリアでは、同年齢人口の70%以上が何らかの高等教育を受け、39の大学に65万人の大学生が在籍している。政府の高等教育予算は削減されつつあり、各大学は法人格としての自律性(corporatization)を高め、自前の財源を確保することが焦眉となっている。企業との協力関係の強化、カリキュラムの国際化、アカウンタビリティ、生涯学習への対応、マルチメディアの活用など、日本の高等教育との共通点も多くみられる。