名古屋大学 高等教育研究センター

第9回招聘セミナー 「中国における高等教育研究の現状」 胡建華 氏 南京大学高等教育研究所 副教授 2000年 1月27日(木) 14:00- 名古屋大学高等教育研究センター 会議室


■ 講演要旨

 中国において高等教育研究が本格化したのは1970年代の後半である。その草分けとして、廈門大学高等教育研究所が1978年、北京大学高等教育研究所が1980年に設立された。現在、全国に約700の高等教育研究施設があり、約3千人のスタッフが従事している。また、中国高等教育学会が1983年に設立され、地方(省レベルなど)の高等教育関連学会も数多くある。高等教育関連の出版物は、約400種類、関連論文は年間約15,000本に上る。研究テーマは、高等教育の基本理論、高等教育と社会発展の関係、高等教育システムの改革、大学の道徳教育、大学の教学(教育)改革、21世紀における中国高等教育改革の発展戦略などである。
 廈門大学高等教育研究所は中国最大・最高水準の高等教育研究施設であり、スタッフは21名、大学院修士・博士課程プログラムを有する。中国高等教育のマクロ研究および台湾高等教育研究に定評がある。定期刊行物は『外国高等教育資料』(年4回)。
 南京大学高等教育研究所は研究者8名、客員教授約10名から構成され、大学院修士課程プログラムおよび教員研修プログラムを有する。中国高等教育百年史の分担制作などに加え、南京大学の改革にも関わっている。定期刊行物は『高教研究と探索』(年4回)。
 総じて、中国の高等教育研究施設は、所属する大学に対して一定の貢献を求められつつ、独自の研究課題を模索している。