名古屋大学 高等教育研究センター

第23回客員教授セミナー 初年次オリエンテーションプログラムの
国際的動向
キャロル・マッチ 氏 クライストチャーチ教育大学 教職能力開発センター副センター長 2004年 6月15日(火) 午後2時 名古屋大学東山キャンパス 文系総合館7階 オープンホール

■ 講演要旨

 高校から大学生活への移行(トランジション)は、アカデミック・キャリアを築く上での重要な一歩である。本発表ではこの移行期に関する先行研究をレビューし、関連サイトを分析した。

 先行研究からは、移行期は分離(separation)、移行(transition)、内化(incorporation)という段階を経ること(Tinto, 1988)、新入生にとっては大学への適応だけではなく、社会への適応も必要となること(Draper, 2003)、などが主張されている。

 次に、検索エンジンGoogleを用いてトランジションに関する300の関連サイトを調べた(米、英、加、豪、ニュージーランド、フィジー)。その結果、大学教職員からのアドバイスでは (1)タイム・マネジメント、 (2)大学との一体感づくり、 (3)教員、アドバイザー、カウンセラーと知り合うこと、 (4)良い学習習慣をつけること、などが上位にランクされた。学生同士のアドバイスでは、 (1)教員と顔なじみになること、 (2)バランスのとれた生活、 (3)大学の各種サービスを知る、 (4)授業に出る、などが多く指摘されていた。両者はタイム・マネジメント、大学生活にとけ込むこと、学びの習慣、生活スキルなどが重要であるという共通点がみられた。