名古屋大学 高等教育研究センター

第24回招聘セミナー 戦後米軍占領下における教育改革の日独比較 柴田 政子 氏 ロンドン大学大学院教育学研究科博士課程修了: Ph.D.取得 2002年 2月26日(火) 13:00-17:00 名古屋大学東山キャンパス センター会議室

■ 講演要旨

 戦後米軍占領下における日本とドイツの教育改革の過程を比較すると、「成果」のあった日本とそうでないドイツとで大きな差がある。日本の場合、周辺の対米対抗勢力が弱かったこともあって、日本人の指導者を利用しながら米軍主導での教育改革が一貫して進行することができ、日本人側も協力的であった。一方、ドイツの場合は、米国のみならず、英・仏・ソ連の「4つの民主主義」が交錯する中での改革であり、米側が完全なイニシアティブをとれない状況であった。そのような背景から、米側からの改革提案に対してもドイツの教育指導者層は反対の立場をとるなど、米国モデルの一方的受容が起こりにくい状況であった。