名古屋大学 高等教育研究センター

第17回招聘セミナー 企業内教育の現状と大学との連携可能性 福岡県内企業調査に基づいて 山田 達雄 氏 中村学園大学 教授 2001年 2月26日(月) 13:00- 名古屋大学東山キャンパス センター会議室

■ 講演要旨

 福岡県内の企業を対象に、「企業及び従業員の教育訓練・研修に関する調査」を実施した。問題意識として、1.企業内教育訓練の内容と方法、2.企業内教育訓練の種類と重要度、大学が企業内教育訓練に対してどのような貢献ができるか、4.企業から大学への支援にはどのようなものがあるか、の4つを掲げた。 従業員教育の場として大学・短大に求められる内容は、実務に関連した教育、経営管理の基礎及び上級教育、IT技術教育、一般教養及び基礎教育、充実した専門教育と研究、大学教育の革新、の6項目に集約できる。いずれも企業現場の実務に耐えうるスキルが求められることがわかった。 高等教育革新の方法としては、新しい形態の教育、企業人の都合の考慮・手続きの簡素化、企業と高等教育機関の人的交流、広報の改善、従来型教育の拡大、教育内容と方法の改革などが挙げられる。大学が企業内教育のアウトソーシングの受け皿として機能するためには、大学側は多くの問題点を改善しなければならない。我が国の企業と教育システムは、これまであまり協働してこなかったが、今後は緊密な連携と協力が必要である。