本号の構成

1. 授業から学ぶ

2. 本から学ぶ
3. 人から学ぶ

4. 学習習慣をつける

・学習中心の生活をしよう
・学習の目標を立ててみよう
・チェックリスト


コラム
ティップスのリスト



 

4.2 学習の目標を立ててみよう

 自発的に学ぶために最良の方法、それは自分なりの目標を設定することで す。甘い誘惑を断ち切り、机に向かう時間をせっかく確保しても、自分の中 に明確な学習目標が設定されていなければ、十分な成果は得られないでしょ う。あなたにとって実行可能で、継続可能で、自分の意欲をかき立てるよう な目標を立ててみましょう。実行したら、それを後で振り返ってみましょう。 自分で目標を立てて学習する習慣をつけておくと、卒業論文や修士論文を作 成する時に役に立ちます。その具体的な方法を紹介しましょう。


ティップス46:大きな目標を小さく分解しよう

 学習目標の立て方には工夫が必要です。あまりにも大きな目標は、逆に取 り組む気を喪失させます。いきなり山頂を目指すのではなく、まずは達成可 能な小さな目標に分割するとよいでしょう。

 小さな目標に分割したら、それらを並べてみて、本質的に最も重要なもの はどれか、最も緊急性の高いものはどれかを検討してみてください。緊急性 の高いものは、すぐに取りかかった方がよいでしょう。最も重要性の高いも のには、他の活動を多少犠牲にしてでも、できるだけ多くの時間を割り当て た方がいいでしょう。目標相互の優先順位をつけるということは、そういう メリハリをつけるということです。

  小目標の優先順位が明らかになったら、それぞれの締切を設定しましょう。そして、締切前に課題を達成するための方略・手段を考えてみましょう。学 習目標を絵に描いた餅にしないためには、小さな目標、締切、方略の3 点セ ットが必要なのです。完璧にやろうとして、無謀な計画を立てないように気 をつけてください。


ティップス47:計画はすみやかに実行しよう

 計画を立てたら、それを手帳やカレンダーなど、いつも目にする場所に書き込んでおきましょう。そして、できるだけ早く実行しましょう。せっかく計画を立てたのに、いつまでも実行しないと自分のやる気も下がってしまいますので。実行段階で大事なことは、随時、学習の進み具合を確認することです。自分でチェックするだけでなく、同級生など周りの友人にもチェックしてもらうとよいでしょう。自分がふだんから関心を抱いているトピックス について学生論文コンテストなどに応募することは、卒業論文作成 などのよい一里塚となるでしょう。


ティップス48:達成度を自己評価してみよう

 自分で学習目標を立てて実行したら、どのくらい達成できたのかを自己評 価してみましょう。自己評価することの意味は、なぜ成功できたのか、ある いは失敗したのかを振り返り、同じ失敗を繰り返さないための教訓を得るこ とです。あるいは、自分なりの「成功の法則」を作ることにあります。

 夏休みに入る前に、1 年生前期に受講した授業における自分の学習活動について振り返ってみましょう。これは成績評価とは別に、自分自身で考えてみましょう。それは、あなたにとって満足のできるものでしたか。それとも不本意でしたか。なぜそう思いますか。自分なりの学習目標は達成できましたか。改善点はありますか。一人で振り返るのがおっくうな人は、一緒に受講した友人と話し合ってみるとよいでしょう。

 

コラム 夏休みの学習計画を立てよう 「夏休みの学習計画を立てよう」


【先輩からのアドバイス】


・大学で学ぶ上での前提、それは目標を持つことである。それがなければ何を学習すべきか不透明になり、効率も悪くなる。ゴールをもって道筋を決めなければならないのだ。(法)

・何のために勉強するのかを考えること。方法はある程度共通しているが、目標は人それぞれなので、自分にしか納得のいく答は見つけられない。
(医)

・何か一つでも自信の持てることを見つけて、日々を生き抜く糧とする。レポートをそれなりの良い内容で早く書けるとか、調べものは得意とか、授業中でも質問できるとか、そんなささいなことで良い。自分の中で何か一つでも「これだけは!」と思えるものがあると(たとえ自己満足に過ぎなくても)、他の物に手を出す時の後ろ盾になるし、精神を支えてくれることもある。大学で評価されるのはとても難しい。そんな時はくじけそうにもなるが、何とか持ちこたえる強さが必要。それを得るために小さな自信を持つ。(医)


【教員からのアドバイス】


・まず、自分の好きなこと、やりたいことを紙に書き上げる。その中で、今の力でやれること、今は無理でも力をつければいずれ実現できそうなことを選り分ける。後者については、どのような力をつければ実現できるのか、先輩や教師、親、クラスメイトなどに尋ねてみる。同じことを目指して活動している人を発見できればさらによし。具体的な目標設定と、そこに至る具体的な道のりを模索し発見することは、表裏一体だと思います。

・目標を明らかにする。あまり大きな目標を立てずに、達成可能な目標を立てて、確実に実行する。

・目先の効率にとらわれず、大学で与えられた課題や自分が好きでやろうとしたことには、とにかく全力投球しよう。たとえ、その時は上手くいかなかったにしても、長い目で見れば絶対に後の人生に生きてくるはず。いきなり大きな目標を達成しようとするよりも、さまざまなことを試行錯誤しながらやって多くの経験を積んでおいた方が最終的には自分の希望がかなうはずです。短絡的にならないことが重要でしょう。

・将来の目標を設計し、大学での学習がそれにどのように貢献するのかを具体化し、それに生活の重みを置くようにする。

・第二外国語は夏休み中に文法をマスターしてしまうこと。そうすれば、夏休み後の授業が楽になります。