コラム:クイズで氷を割ろう

 現代アジアに対する認識論を開講するにあたり、受講者全員に白紙を配り、それぞれのイメージにあるアジアの地図を描かせ、あとで全員分をOHPにして公開した。アジアはどこからどこまでかという点について多様な認識が示され、学生にも好評であった。学生はどちらかというと、高校時代に詰め込んだ知識をフルに活用して、教科書的な模範解答をしようとするようだ。そこで、彼らの自尊心をうまくくすぐってあげると、競争的心理が働いて、授業のテンションが高まった。

  また、同様に白紙を配り、「あなたの知っているアジア人ベスト10」を書いてもらったことがある。毛沢東、ガンジーなどの教科書に出てくる偉人と、ジャッキー・チェン、サダム・フセインなど、マスメディアによく登場する人物が強く印象に残っているようだ。ただし、これには個人差が大きく、どのような背景からそうしたイメージが形成されたのかを探ってみると、学生一人ひとりの個性が少しずつ見えてくる。重要なのは、OHPなどのツールを用いて、互いの考えをオープンするスタイルを授業で定着させることだと思う。