コラム:学生は4年間の大学生活でどのように発達するの?

 みなさんの学生時代を振り返ってみましょう。 4年間の大学生活で学生はさまざまな面において発達したと言えるのではないでしょうか。 もちろん学生の発達は、専門分野の知識の習得に限られたものではありません。 授業や友人との関係を通して、自分の人生の目的を見つけた学生もいるでしょう。 また、サークル活動、アルバイトなどを通じて対人能力を大きく発達させた学生もいるでしょう。 このように大学生は、単なる知的発達にとどまらないより広い全人的発達を遂げると言えるでしょう。

 大学生がどのように発達するのかについて、さまざまな研究者が理論を作りました。 その中で最も有名なものはチッカリングによる7つのベクトルです。 チッカリングによると大学生は以下の7つのベクトルの方向に発達すると言われています。

ベクトル1 専門能力を獲得する
ベクトル2 感情をコントロールする
ベクトル3 自立性、相互依存性を発達させる
ベクトル4 大人としての対人関係を発達させる
ベクトル5 アイデンティティを確立する
ベクトル6 目的意識を発達させる
ベクトル7 全体性を発達させる

 はたして大学は学生のどのベクトルの発達に関わるべきなのでしょうか。 自分たちが学生だったころ、 対人能力やアイデンティティの形成などは大学以外のところで身につけてきたと言うかもしれませんね。 では今の大学生についてはどうでしょうか。 大学そして教員は、どこまで学生の発達にサポートすべきでしょうか。 この7つのベクトルはこういった問いを考えるときのきっかけになるのではと思います。

参考文献
Chickering, A. and Reisser, L. (1993) Education and Identity, 2nd Edition, Jossey-Bass.