コラム:オーストラリアにおけるキャンパス内差別との戦い

 オーストラリアのメルボルンにあるディーキン(Deakin)大学を訪問したときに感心したことのひとつに、キャンパス内での差別対策を専門的業務とする部署の活動がある。Equity & Equal Opportunity Unit(EEO)という名前のその部署の活動方針には、次のように書かれている。「われわれの目的は、文化的多様性をもつコミュニティの価値を促進し、それぞれの人が自分の潜在能力をフルに開花させることを支援する条件を整備することにあります。したがって、本学のすべてのメンバーは、いついかなるときでも尊敬をもって公平に扱われる権利を有します」。

  EEOのオフィスの前には、キャンパス内で起こりうるさまざまな形態の差別に関して、カラフルな啓蒙パンフレットがずらりと並んでいた。人種、性別、信仰、年齢による差別から、妊娠、性的アイデンティティ、両親の社会的地位、C型肝炎にいたるまで、その徹底ぶりに私は驚いた。