コラム:アンケートそこまでやるの?

 学生の視点に立ってみると、現在多くの大学で行われている「授業評価アンケート」には、いろいろな問題があるように思えてならない。

  学生にしてみれば、アンケートにきちんとした評価ないしは改善意見を書くことが、どのような仕方で来学期ないし次年度の授業の改善に役立つのかが示されているかどうかが重要だ。たとえば、調査結果や自由記述はどのような人が読むことになるのか、担当教員だけなのか、それともカリキュラムに責任ある立場の人は目を通してくれるのか。その上で、結果として、こんなふうに改善することにしましたと、学生にきちんとしたフィードバックをすることが重要ではないだろうか。

  逆に、授業評価法研究者にしばしば見られる(と思う)のだが、濃厚すぎるアンケートもどうかと思う。たとえば、「今日の授業では話し方は上手でしたか」とか、「黒板の使い方はよかったか」という調査項目をよく見かけるが、どんなものだろう。すし屋がすしをひとつ握るたびに、「シャリの具合はどうでしたか?」「さびはきつすぎませんでしたか?」「ネタは新鮮でしたか?」と聞いてくるとしたら、どうだろう?

  教え方の質がよいかどうかを常に気にかけているということを学生にアピールすることは重要だと思うが、これはいかにもやりすぎだと思う。教員の自己満足のための「アンケートのためのアンケート」をとるのではなく、回答する側の視点に立つことが重要なのではないだろうか?