ティップス先生の考えたシラバス

基礎専門科目  論理学(2単位)
担当教師 ティップス
対象学部 文学部・法学部

◆この授業のねらい

みなさんは、「明日は雨が降らなければグラウンドで体力測定があり、雨が降れば体育館で体力測定がある」から、いずれにせよ「明日は体力測定がある」が論理的に出てくることを知っているでしょう。また、「おまえはまだ子どもなんだから、親の言うことを聞きなさい」と「おまえはもう子どもじゃないんだから、自分のことは自分でしなさい」とが矛盾しているということもわかるでしょう。このように、ある事柄が論理的に出てくるとか、いくつかの事柄を全部合わせると矛盾しているといった判断をおおむね間違いなくできるので、わたしたちは生きていけるのです。

でも、あなたが知っているはずの、その「論理的に出てくる」とか「矛盾している」っていったいどういうことか、ということをあなたは知っていますか? 知っていて、それをどんな場合にも当てはまるように、厳密に、一般的に説明することができますか?

論理学は、思考や推論、論証が論理的に筋道だっているということはそもそもどういうことかを明らかにし、それをいかなる場合にも判定できるような有効な手続きはあるのか、あるとしたらどのようなものかを考える科学です。

この授業では、日常的な事例を出発点としながら、「論理的に出てくる」とか「矛盾している」ということを厳密に、一般的に説明しようとすると、どのような理論的なしかけが必要になるかを考え、ゼロから論理学を作っていきながら、現代の論理学に入門することをめざします。

◆授業内容

細かな項目をここで挙げることはしませんが、この授業を受講した学生は以下のことができるようになっているはずです。また、そうなるように学習することを望みます。

  1. 日本語・英語などの日常言語の文を論理学の記号言語に翻訳すること
  2. 論理学に特有の理論的概念のそれぞれについて、なぜそのような概念を導入する必要があるのかということと、その正確な意味が説明できること
  3. 任意の論証が与えられたときにそれが論理的に正しいものであるかどうか、任意の文の集まりが与えられたときにそれが全体として矛盾しているかいないか、を判定する方法が使えること
  4. 3.の方法がなぜ使えるのかが説明できること