講演要旨
日本の公立大学の歴史は1918年の大学令に伴う公立旧制専門学校の大学昇格には
じまる。その後、戦時期に必要な人材の促成という意味で急激に増加した公立旧
制医専、工専などが母体となって、戦後の新制大学創設期に多くの公立大学が誕
生した。1950年代に入り、地方自治体の財政再建問題と関連して、国立移管され
る公立大学も多かった。80年代半ば以後の国土開発計画策定や18歳人口急増期に
は、高齢化社会に対応する人材育成のための看護系公立大学などが新設されてい
る。大学が「ユニバーサリズム」を求められている中で、いかに公立大学として
の「ローカリズム」を確保していくかが課題であると言える。
