Center for the Studies of Higher Education, Nagoya University


平成12年度

基礎セミナーT・U

中間発表


200074日発表

                                                               

                                            東アジアA (中国)

                                            伊藤高雄 ・加納良美

                   北京料理『火鍋』の秘密 

目的:北京料理として一般的である「火鍋」の調理方法・食べ方・ルーツを探る

問題意識:中国料理は、広大な土地に産する多種類の産物を使い、長い歴史をかけてできたもので、世界で最も発達した料理のひとつである。特徴としては、材料の種類が多く、味と栄養に富んでいること。見た目よりも味を重視すること、手早く仕上げることなどがあげられる。なかでも、明・清代以来首都として、政治・経済の中心であった北京の代表的な料理をひとつ取り上げてその魅力を調べてみたい。

     「火鍋」・・・・北京の代表的な庶民料理。日本の鍋料理のようなもの。

調査方法:インターネットでの検索・図書の活用

予想される結果:・火鍋の調理方法は、北京の気候はもちろん、政治的背景なども反映しているのではないか。

・使われる香辛料に特徴があり、味の決め手になっているのではないか。

・日本のしゃぶしゃぶと共通する点を持つのではないか。  

                                                                                  

                                                         東アジアB(中国)

伊東 翔太朗・細野 康男

京劇

目的: 京劇史とその特徴

問題意識: 中国人にとって京劇とはいかなる存在なのか

方法: 主にインターネット、本を利用して研究する

予想される結果: 日本人に伝統芸能は少なくとも若い世代には浸透してない。同じように、中国の伝統芸能である京劇も衰退しつつある。中国と日本をいっしょにしていいかどうかわからないが

                                                                                                          東アジアC(韓国)
   
                                           河内 万里子、久世千恵子   

韓国民族衣装、チマ・チョゴリ

1.目的

韓国の民族衣装であるチマ・チョゴリについて調べてゆくことによって、チマ・チョゴリについてを知るだけでなく、韓国の文化につても学ぶ。

2.問題意識

私達はチマ・チョゴリが韓国の民族衣装であることは知っているが、それを深くは知っていない。日本の民族衣装でもある着物が、私達の歴史や生活、習慣などと深く関係があることからも、チマ・チョゴリを調べることによって、民族衣装と韓国文化、そして韓国の人々との関係なども見えてくるのではないだろうか

関連して調べられそうなこと。たとえば

1、   文化 (年間行事、習慣、音楽、織物文化、他文化(隣国)との影響)

2、   歴史 (服装の変化、西洋化、交流(貿易)

3、   食文化(正装)

4、   教育 (制服、文学) 

5、   家族 (女性像)

6、   思想 (宗教、民族意識)

3.方法

インターネットをフルに活用して情報収集する。必要に応じて本も活用。
(ビジュアルな資料も使って見やすく、分かりやすい発表になるように。)

4.
予想される結果

チマ・チョゴリは人々と深い繋がりがあり、今日に至るまでの韓国そして、そこに住む人々の経路を物語っている。

                                                                       

            東アジアD(台湾)

                                                 石田仁彦・八倉将太

日本かぶれの台湾人(恰日族)

1.目的

現在、情報通信の分野は著しい発達を見せ、日本の映画、音楽、TV番組に代表されるエンターテインメント文化はインターネット等を通じて全く時間差を感じさせることなく、日本国外への地域へ広がっていく。そしてその地域と言うのは台湾とて例外ではない。

東アジアにおいて日本に次ぐ経済的豊かさを手に入れ、日本に対する反発的な感情も、同じ日本の旧植民地である韓国、中国等に比べて比較的少ないと言える台湾。その台湾において、日本産のエンターテインメント文化はどのように受けとめられているのだろうか。主に、その対象を台湾の同世代の若者に絞って調べていく。

2.問題意識

あるTV番組で目にした日本文化に夢中になる台湾の若者たち。彼等は現地の言葉で「恰日族」(スーイーズー)と呼ばれている。キックボードに乗り、宇多田ヒカルに熱狂し、藤原紀香に憧れる台湾の若者を見て、そこに日本の文化には目もくれず、欧米の音楽や映画俳優を先進的であると思いこみ、ひたすら憧れる日本の若者の姿を重ね合わせずにいられなかった。戦争を経験していない我々と同世代の、これから共に新たな日台関係を築いていくであろう台湾の若者達の日本エンターテインメント文化への反応を通して、台湾人の新たな日本認識まで迫りたい。

3.方法

調査としては、対象が非常に流動的かつ世俗的であることを考慮して、最新の情報を手に入れられるという利点を考えインターネットでの関連サイトの検索を中心に進めてきたい。また、名古屋大学に留学に来ている台湾人の方のも話を聞き、できれば現地の雑誌なども参考にしていくということも考えている。

発表方法は、現時点ではレジュメとOHPを使うことを考えているが、パソコンを使用した画像や映像なども可能であれば取り入れていきたい。

4.予想される結果

やはり、台湾の若者にとって日本のエンターテインメント文化は憧れの対象であり、今までのような日本は自国を植民地にした支配国であるという認識は過去の産物となり薄らいでいる、ということが予想される。



2000711日発表

                                                         

                     東南アジアA(インドネシア)

              米増 玲子 鈴木 ひかり 

             祭り〜インドネシアバリ島の‘ケチャ’〜

1.目的

インドネシアバリ島における祭りの果たす意味を考える

2.問題意識

インドネシアには、13000もの島々があり、島によって様々な祭りがある。ここでは、バリ島の民族舞踊であるケチャをとりあげる。ケチャはバリ島の観光資源となっているが、島民総勢で行うケチャには島の住民同士を結びつけるようなもっと深い意味や祭りを行う理由があると思う。それを調べたい。

3.方法

図書、インターネット検索。また実際にCDを借り、聞いてみる。ビデオもあればなお良い。

4.予想される成果

ケチャは島民の間に広く浸透しており、宗教、島の歴史にも絡んでいると思う。そして、日本の祭りのように神様を祭ったり、豊作祈願、厄払いのような意味があるのではないかなと思う。

                                                            

                東南アジアB(タイ)

                                             出雲裕子・牧久美子

タイの少数民族

1.目的

  タイの少数民族であるリス族と首長族の伝統的な信仰と結婚の様子を知る。

2.問題意識

 現在タイは東南アジアにおいて力強い経済発展をすすめている。主な宗教は仏教であり、その一方で王制という東南アジアの伝統をほどよく残し王をあがめる風潮もある。 しかしこういったものは、タイ民族とよばれるタイに多数民族の経済であり信仰であるようだ。タイ北部の山岳地帯には、リス族・首長族といった数種の少数民族が、そのような経済発展や宗教にとらわれず、今も独自の伝統の中で生活をおくっているという。では彼らはどのような信仰をしているのか?それぞれ何をあがめ、どのような規律を守って生活しているのだろうか。その中には、今の私達の生活から見れば驚くような信仰をしている民族もきっとあるに違いない。 
 また、それぞれの民族の結婚観・男女間も興味深い。結婚式はやはりそれぞれの方法で行われ
ているのだろうか。結婚にいたるまでの男女の付き合い方の特徴は?でももしかしたら、そんなかれらも時代の波に影響を受けているのかもしれない?  また、日本にはアイヌ民族という少数民族がいて差別を受けてきたが、タイ民族は彼らをどのように見ているのだろうか

3.方法

インターネットで検索・本・もしかしたらインタビュー

4.予想される成果

信仰に関しては、昔ながらの伝統を守った民族であり、自然に囲まれた地域であるので、精霊信仰(アニミズム)を行っているのではないか?結婚式は着飾って近所の人々に祝ってもらう。男女の付き合いは、子孫を残すことを重視するため、意外とオープンではないか?差別に関しては、居住地が離れているため、ないのでは?現代化の波は少数民族にも少しは影響を与えていると思う。

                                                             

                                        東南アジアC

市来 聰・柴田 真紗子

東南アジアにおける屋台

1.目的

庶民の生活に完全に溶け込み、食事の場だけでなく、団欒(だんらん)の場、交流の場となっている屋台。そんな屋台には人々の生活、文化を映し出しているはずだ。そこで、屋台から人々の生活を探ってみようと思う。

2.問題意識

屋台は食文化を代表するだけでなく、その文化、生活背景を映し出しているはずだ。例えば屋台のある場所が市街地なのか、ホテルの近くなのか、それとも住宅街の近くなのかについても、屋台の持つ意味合いは変わってくるはずだ。また、貴族(宮廷)料理と庶民料理(屋台で食べられるもの)を材料、調理法などの点から比較しても、面白い結果が見えてくるかもしれない。それから屋台に関して、地域的な横の関係だけでなく、歴史的な縦の関係についても同時に調べていきたい。

3.方法

主としてはインターネットを活用するが、旅行雑誌などの書籍からも必要に応じて活用する。また実際に目に見える写真や映像のほうが文章よりも理解してもらいやすいので、そちらも可能な限り使用していきたい。

4.予想される結果

東南アジアにおける屋台は、人々の生活と密接につながりをもち、その土地に暮らす人々の文化を表すとともに、長い間人々の交流の場であったことが予想される。


2000718日発表

                                                             

                                              南アジアA

                                              松井俊樹 山本英孝

いんどカレー

1.目的

インドと言えばカレーと連想するのはたやすいことであろう。しかし、現在私達が食べているものは、インド人が食べているものとはいささか違う。そこで本場のカレーとはいかなるものかということを隅々まで解体していきたいと思う。

2.     問題意識

インド人が毎日カレーを食べているということは聞いたことがある。そんなにも生活に密着しているものは、どのような歴史でインド人とともに歩んできたのか。そして、インド発祥のカレーがどのようなカタチで日本に伝わり、変化していったのかも調べてみたい。

3.  方法

主に活用するのはインターネットだが、場合によっては図書も利用する。他にも実際にインドカレー屋にいって日本のカレーライスと食べ比べをしてみたい。

4.予想される結果

カレーはその地方の香辛料などにも影響され、色々な変化を遂げてきたのではないだろうか。そして、カレーは日本人の口に合った辛さになっていったのではないか。さらに、栄養のバランスも考え、辛さを和らげるためにライスと一緒に食べるようになったのではないか。

                                                             

                                 南アジアB(スリランカ)

                                           淺井あゆみ 横田信太郎

                 スリランカの民族紛争

目的:インドの東南に位置する島国、スリランカ。そこは日本の九州ほどの大きさの

   小さな島であるが、実に様々な民族がそれぞれの宗教・文化を大切にしながら

暮らしている。そこにはしばしば民族間の対立が生まれる。この民族間の対立、

   特に現在おきている内戦について調査することからスリランカに根付いている

民族対立意識を少しでも明らかにしたい。

問題意識:日本には、ひとりの人が生まれてから死ぬまで、神道(安産祈願に始まり

私たちに近いものでは合格祈願など)、仏教(主に喪式など)、キリスト教

(クリスマス、結婚式など)等さまざまな宗教に少ーしずつ関わるといっ

たような、特定の宗教を持たない人が多い。そんな我々日本人には、スリ

ランカのように宗教がそのまま民族、政府と結びついて内戦にまで発展し

てしまう国があるということを実感しにくいかもしれない。現在のスリラ

ンカの内戦を調査することでスリランカの民族・宗教・文化、そして民族

紛争の歴史をも探りたい。

方法:主にインターネットで内戦の現状を調査し、民族・宗教対立の歴史、文化など

   については図書館の資料他、旅行ガイドなども参考にするつもりである。民族

紛争というテーマに固執しすぎずに、関連する情報を幅広く集めて調査結果の

充実・補足をはかる。

予想される結果:テーマはすごくかたいけど、きっと調べる内容は民族ごとの文化や

         風習(宗教はもちろん)になると思います。

                                                       

                                     中東・中央アジアA

                                           加藤 卓矢  歳森 麻美

               イラン映画にみる中東の人々

1.目的

現代のイランの芸術を代表するものに、映画がある。イラン映画は国際的にも高い評価を受け、様々な賞を受賞しており、また日本でもビデオなどで鑑賞することが可能だ。そこで、イラン映画の特徴や、イラン(中東)での映画のありかたを探るとともに、実際に映画を鑑賞し、その中に描かれるイランの人々のくらしにまで焦点をあて、わたしたち日本人には容易に想像することのできない中東の人々のくらしや考え方を映像を通して知り、考察する。

2.問題意識

 イラン映画は庶民の生活を題材にしたものが多い。では、国際的にも高い評価を得ているイラン映画の魅力とは何だろうか。また、イラン及び中東の人々にとって「映画」というものにはどういった位置付けがなされているのだろうか。映画製作における特徴とともに調べてゆきたい。また同時に、中東の人々の思想や信仰、家族関係、教育、食事、服装などはどのようなものであるのか、中東のくらしはわたしたちのくらしとはどの程度異なったものなのかという点についても、イラン映画を通して調べてゆきたい。

3.方法

 実際に多くのイラン映画をみて、比較する。その中で気が付いた点を取り上げ、さらにそれについてインターネットや本などで調べる。このゼミのメンバー全員にアンケートをとって、(若き)日本人の持つ中東のイメージを知り、調査、発表に活かす。発表は、レジュメとOHPを使うほか、実際に映画のビデオを流して説明したい。

4.予想される結果

 イラン映画には、イスラム教の規範に則した検閲があるため、庶民生活や子どもを題材にした作品が多く、庶民の娯楽としても映画は生活に溶け込んでいるのではないか。また、わたしたちが描く中東のイメージにも、いくらか歪み、偏った面があるのではないか。






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