コラム:大学生は「生徒」ではない
大学が、学びそのものを主体的に楽しむ人々の共同体であるということを忘れないでください。ここで言う「主体性」には、自分で問いをたて、それを解くための努力をすること、時間割を自分で組み立てること、4年間で何を身につけるかを自分で考えることなどが含まれます。 ところが最近、そうした主体的に学ぶという姿勢に転換できない学生が増えてきています。彼らは、学習を自ら作り出すものではなく「人に言われてやるもの」と考えているため、誰かがうるさく言ってくれないと学習できない、という困った特徴があります。 その結果、大学生の授業への出席率は年々高まっているのに、授業外の自主的な学習時間はあまり増えていない、という奇妙なねじれが生じてきています。一部の研究者はこの現象を学生の「生徒化」現象と呼んでいます。大学を「学校」、自分を「生徒」と呼ぶ学生が増えているのも、このことと関係あるのかもしれません。 大学ではこれまで以上に主体的な学習姿勢が求められます。その手始めとして、「生徒」ではなく「学生」、「学校」ではなく「大学」と呼ぶように心がけてみたらどうでしょうか。 |