名古屋大学 高等教育研究センター

第67回招聘セミナー 効果的な大学院研究指導のための実践手法 オーストラリア高等教育の動向 リチャード・ジェームス 氏 メルボルン大学 高等教育研究センター長 2月5日(火) 午後3時〜5時 名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館 7階 オープンホール

■ 講演要旨

大学院における研究指導は、大学における教育活動の中でもとりわけ複雑な形態です。オーストラリアの大学では、どのような条件のもとで大学院生が発達し、学位論文作成に成功を収めることができるかについて関心が高まっています。最近では、複数の教員による共同論文指導などの新しい動きが始まっています。

一般的に言って、大学院生は十分な研究指導を受けたいと考えており、会いたいときにいつでも会えることが大事だと考えているようです。オーストラリアの大学院生に関する調査結果によると、学生が指導教員に求めるのは、友好的かつ協力的な姿勢、建設的な批判、学生の研究分野に関する十分な知識、就職のケアなどです。指導教員に求められるのは、学生に対して関心をもち、学生の研究上の進歩に注意を払い、思いやりあるフィードバックを適切に行うことだといえましょう。ただし、研究指導は教員と学生の個人的な関係に依存する部分が大きく、その志向性やスタイルは個々のケースによって大きく異なります。

博士論文を書くのに失敗したケースをみると、その要因は個人的な問題、研究上の問題、指導教員との関係上の問題の3つに大別されます。そこでメルボルン大学では効果的な研究指導を実現するための指針としてハンドブックElevenPractices of Effective Postgraduate Supervisors(日本語版:『研究指導を成功させる方法−学位論文の作成をどう支援するか』)を1999年に作成し、?まず指導教員と学生の協力関係を築く、?学生を支援し、学位論文の作成を支援する、?学位論文の最終段階を支援し、完成させる、の3つの段階に分けて具体的な指針を提供しました。こうした支援は大学院本部が行っています。また、メルボルン大学では初めて研究指導を行う教員のために半日の研修会を行っています。

*同ハンドブックの日本語版をご希望の方は、近田(052-789-5692, chikada@cshe.nagoya-u.ac.jp)までご一報下さい。

■ 開催案内

名古屋大学高等教育研究センター設立10周年記念国際セミナーシリーズ
第67回招聘セミナー

効果的な大学院研究指導のための実践手法
−オーストラリア高等教育の動向−

リチャード・ジェームス 氏 (メルボルン大学 高等教育研究センター長)
日時: 2月5日(火) 午後3時〜5時
場所: 名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館 7階 オープンホール

講演概要

 大学院における研究指導は、大学における教育活動の中でもとりわけ複雑な形態 です。オーストラリアの大学では、どのような条件のもとで大学院生が発達し、 学位論文作成に成功を収めることができるかについての関心が高まっています。 このセミナーでは、効果的な研究指導を実現するための諸要因や各専攻における 効果的な環境整備のあり方について検討します。また、近年におけるオーストラ リアの学位制度に関する政策動向についても紹介します。このセミナーでは参考 資料として、『効果的な大学院研究指導のための11の実践手法』(リチャード・ ジェームス、ガブリエル・ボールドウィン著)の日本語版を配布します。

使用言語:英語(通訳なし)

お問い合わせ: 近田 政博 <seminar@cshe.nagoya-u.ac.jp> (tel:052-789-5692)

※セミナーに出席を希望される方は、セミナー当日までにseminar@cshe.nagoya-u.ac.jp宛へご連絡下さい。(準備等の都合のためであり、必須ではありません。)セミナーは研究者、教育関係者、教育機関の事務担当者、学生(大学院生・研究生・学部生)、社会人など多くの方の参加を歓迎しております。また、セミナー開催情報メールサービスも是非ご利用下さい。

案内用ポスターPDFPDF

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