名古屋大学 高等教育研究センター

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第113回招聘セミナー 中国の高等教育における国際教育戦略 黒田 千晴 氏 神戸大学留学生センター・准教授 2012年12月21日(金)13:30〜15:00 名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館7Fオープンホール

■ 講演要旨

1990年代以降、社会主義市場経済体制の影響で、中国の高等教育は「大衆化」、「市場化」、「国際化」、「重点化」の方向で発展してきた。現在では世界トップレベルの研究・教育水準を誇る大学が出現しつつあり、大学間の格差も拡大している。また、高等教育の大衆化に伴い、教育機関の多様化が著しくなった。しかし、学費の高騰による家庭の負担増加、卒業生の就職難などの問題も多数存在し、中国の高等教育の現状は複雑である。

2010年、中国教育部は『国家中長期教育改革・発展計画網要(2010−2020)』を公布し、「教育強国」・「人材資源強国」の目標を明確にし、教育の対外開放の拡大を強調した。また、外国の優れた教育資源の導入、外国人留学生受け入れの拡大などの政策を打ち出した。同年度、中国は「中国留学計画」を公布し、「2020年までにアジア最大の留学目的国とする」、「中国のことをよく知り、中国に友好的な素養の高い留学生を大量に育成する」などの目標を掲げた。中国の高等教育機関に在籍している留学生は、中国の近隣諸国からの留学生が最も多く、また非学歴留学生が半分以上などの特徴があるため、中国政府は学歴教育・専門教育の拡充の目標を掲げ、中国の特色を生かし、国際的に競争力のある学位プログラムを重点的に支援などの施策を打ち出した。

留学生を対象とした英語を教授言語とする学位プログラムの開設は著しいが、北京大学、清華大学等のトップレベルの大学では、学部レベルの授業は中国語のみと規定されている。大学院レベルでは英語を教授言語とするプログラムが中国のトップレベル大学で行われている。また、中国の大学は留学生のニーズに合わせた学位プログラムを開設し、日本の強力なライバルになっている。中国の大規模・スピーディーの留学生受け入れの姿勢に対して、日本の大学がどのように自分の強みを生かし、留学生獲得市場において優位に立てるかを検討すべき時期にきている。

■ 開催案内

第113回招聘セミナー

講演題目
中国の高等教育における国際教育戦略
講演者
黒田 千晴 氏
(神戸大学留学生センター・准教授)
日時
2012年12月21日(金)13:30〜15:00
場所
名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館7Fオープンホール

講演概要

これまで中国は留学生送り出し大国として語られることが多かった。しかし、今日において中国はすでに日本を上回る留学生受け入れ大国であり、 2020年までに50万人の留学生を受け入れる計画が進行中である。また、トランスナショナルプログラムなど、高等教育の国際化に向けてさまざまな戦略を打ち出している。このセミナーでは、急速に変貌しつつある中国の国際教育交流戦略について紹介し、日本の高等教育への知見を得たい。

お問合せ先
info@cshe.nagoya-u.ac.jp
Tel:052-789-5696
ご参加いただける方は、事前に上記メールアドレスまでご一報いただけると助かります。会場準備の都合によるものですので、必須ではありません。
案内用ポスターPDFPDF

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