名古屋大学 高等教育研究センター

第78回客員教授セミナー インストラクショナルデザインの観点を採用した
アクティブラーニング
向後 千春 氏 早稲田大学人間科学学術院・教授 2016年3月3日(木)16:30~18:30 名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館5階 アクティブラーニングスタジオ

■ 開催案内

第78回客員教授セミナー

講演題目
インストラクショナルデザインの観点を採用したアクティブラーニング
講演者
向後 千春 氏
(早稲田大学人間科学学術院・教授)
日時
2016年3月3日(木)16:30~18:30
場所
名古屋大学 東山キャンパス 文系総合館5階 アクティブラーニングスタジオ

講演概要

インストラクショナルデザインは初めから学習者中心のアクティブラーニングを目指していた。学習者検証の原則を取る限り、教えっぱなしの教育形態は最初から採用することはできなかった。

本セミナーでは、10人以下の個別指導、100人以下のグループワーク、1000人単位のオンラインコースのそれぞれの教育形態におけるアクティブラーニングの設計とその実践についてインストラクショナルデザインに基づいて検討する。


■ 講演要旨

1.序論:インストラクショナルデザインとアクティブラーニング

インストラクショナルデザインは初めから学習者中心のアクティブラーニングを目指していた。学習者検証の原則を取る限り、教えっぱなしの教育形態は最初から採用することはできなかった。本セミナーでは、10人以下の個別指導、100人以下のグループワーク、1000人単位のオンラインコースのそれぞれの教育形態におけるアクティブラーニングの設計とその実践についてインストラクショナルデザインに基づいて検討する。

2.多様なコース形態でのアクティブ化

コース形態を3種類、(1) 1000人単位のオンラインコース、(2) 100人以下のクラス、(3) 10人以下の個別指導、に分類した上で、それぞれのアクティブ化の方法を提案する。

2.1 1000人単位のオンラインコースのアクティブ化

(1) クイズによる自己効力感:自動採点のクイズを活用することで、即時フィードバックが可能になり、自己効力感を高め、自己調整力を伸ばす。

(2) 文章課題の相互採点:相互採点のために他者の文章を読むことで、多様な視点と価値観を獲得することができるようになる。

(3) Q&Aも評価する:自発的な質問と回答の投稿を評価することにより、学習内容を拡張・展開することを促進できる。

2.2 100人以下のクラスのアクティブ化

(1) グループワークを構造化する:グループワークの課題を細分化し、細かく時間管理することによって、活動は活性化される。

(2) グループの偶然性を活用する:Levinの感受性訓練、Rogersのエンカウンターグループで着目された自己開示、他者受容の能力をつける。

(3) eラーニングの反転授業として:eラーニングを補完し、さらにその動機づけを高めるために反転授業を実施する。

2.3 10人以下の個別指導のアクティブ化

(1) 標準化できるものはゼミグラムに:標準化された指導内容は個別にしなくてもすむように、ドキュメントやビデオにまとめ、蓄積し、適宜活用する。

(2) 個別観察して良いところを伸ばす:グループの中においても個別観察をして、その人の良いところを伸ばし、弱いところを克服するようなプログラムを用意する。

(3) 自己調整力を伸ばせるよう支援:放置することなく、その人にあったタスクを出し、常にゴールを目指すように支援する。

3.結論:インストラクショナルデザインによる設計とコンサルティング能力

あらゆる教育場面でのアクティブ化にはインストラクショナルデザインによる設計と教員のコンサルティング能力が必要となるだろう。

お問合せ先
info@cshe.nagoya-u.ac.jp
Tel:052-789-5696
ご参加いただける方は、事前に上記メールアドレスまでご一報いただけると助かります。 会場準備の都合によるものですので、必須ではありません。
案内用ポスターPDFPDF

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