名古屋大学 高等教育研究センター

名古屋大学高等教育研究センター 第204回招聘セミナー 研究推進・支援担当者セミナー 研究支援業務と研究公正の推進 野内 玲 氏 信州大学医学部公正研究推進講座 助教 2022年9月8日(木) 14:00-16:00

■ 開催案内

名古屋大学高等教育研究センター 第204回招聘セミナー
研究推進・支援担当者セミナー

講演題目
研究支援業務と研究公正の推進
講演者
野内 玲 氏
(信州大学医学部公正研究推進講座 助教)
日時
2022年9月8日(木)14:00-16:00
共催
東海国立大学機構 アカデミック・セントラル インストラクショナル・デザインチーム

講演概要

研究公正は研究者個人だけでなく、組織として適切な対応が求められる課題である。研究公正の推進についてはここ十数年で国際的な提言発信・議論が活発になっているが、URAや事務職員等の人材がどこまで関与することが可能だろうか。AMED研究公正高度化モデル開発支援事業では、各国・研究機関での取り組みを参考に、研究支援の中で研究公正を推進して行く際に活用しうる指針を作成した。この成果を踏まえ、研究支援に携わる者による研究公正の推進の理想と現実について議論を行いたい。



本セミナーは ZOOM によるオンライン開催です
  • マイクが利用可能で、高速なインターネットに接続されたPC等が用意できること
  • 発言等ができる静穏な環境で参加できること。
以上をご確認のうえ、お一人様1アカウントにてお申込みください。

■ 講演要旨

本講演では、講師自身の研究倫理・研究公正に関わる研究開発や教育実践を踏まえて、研究機関において研究公正の風土を醸成するための考え方や対応の支援について紹介のうえ、質疑を行った。

研究開発の部分は、日本医療研究開発機構(AMED)研究公正高度化モデル開発支援事業による調査研究の成果の説明をベースに進められた。この調査研究では、研究者・事務職員・URA(研究機関の「ボトム」層)を対象としたアンケートと研究科長(研究機関における「ミドル」層)を対象としたアンケートが実施されており、同内容の設問に対する回答の比較が示された。そこでは、アンケート回答者の所属における研究倫理・研究公正への取り組み状況への評価について、ミドル層はボトム層よりも良い評価をしており、認識にギャップがあることが示された。

研究倫理・研究公正においては、研究者だけでなく、URAや研究支援の事務職員等が関わり、研究機関全体として研究風土を醸成することの重要性が指摘された。その際、先述したギャップの存在もあり研究風土の醸成を支援する際には一人の担当者に任せることは不適当であるとする。そのため上述のAMED調査研究で取りまとめた『研究の公正性の向上と研究風土の醸成を推進するための研究支援体制のガイドライン』は、研究機関における実情に関する「チェックリスト」、具体的な対応に関する「アクションプラン」、国内外の大学等における実際の「取り組み例」で構成され、読み手の担当業務や役割、責任および所属機関の規模や体制、考え方に照らして、参考となる情報を引き出してもらうという設計になっている。同ガイドラインは、信州大学医学部公正研究推進講座のホームページからダウンロード可能である。また、このガイドラインに関連して、講師がこれまで実施した研究者倫理教育の教育効果に関する調査や、研究不正調査委員会の調査方針に関する研究論文も紹介され、研究倫理・研究公正の推進における多様な課題が共有された。

講演後の質疑においても具体的な取り組みについて意見交換がなされた。参加者の意見からは所属機関での研究公正の取り組みに苦慮していることが伺われ、継続して意見交換・情報共有ができる場の必要性が実感された。

申し込み方法
下記セミナー参加申込フォームから必要事項をご送信ください。
https://forms.office.com/r/SvacN0DbB2
  • いただいた個人情報は、本企画運営の目的にのみ使用いたします
定員
100名(申込締切 9月5日)
参加方法
参加申込された方に後日お知らせします。
お問合せ先
info@cshe.nagoya-u.ac.jp
Tel:052-789-3534
(セミナー専用)
本セミナーに関する質問事項等があれば、上記のお問い合わせ先まで連絡をお願いいたします。
案内用ポスターPDFPDF

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