Teaching Tips at Nagoya


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ごあいさつ


馬 越 徹(高等教育研究センター長)


 新しい何かが生まれる時には、喜びと不安がつきまとうものです。この度、「成長するティップス先生」を学内に送り出すに当たっても、同様の気持ちが交錯しています。
 われわれ高等教育研究センターのスタッフは、センター創設以来、ティップスの開発をもっとも重要な仕事の一つとして取り組んできました。それは、センター創設の目的ともかかわる、次のような理由によるものです。
 近年の大学改革のなかで、大学教育(授業)の改革が最重要課題となっていることは言うまでもありません。学部・大学院を問わず、いかに良質で魅力のある教育プログラムを提供できるかが、大学改革の決め手になりつつあります。世界の多くの大学が教育のQA(quality assurance)を求めてしのぎをけずっていることは周知のとおりです。QAとは具体的には、(1)カリキュラム、(2)教授法、(3)評価法、これら三者の質を総合的に高める作業だと言えます。これらの成果が「ティーチングティップス」です。Tips(秘訣・助言・ヒント・こつ)は、欧米の大学では新任大学教師の授業ハンドブックとして作成されている場合が多く、いまや古典的名著となっているマッキーチのティップスをはじめ、カリフォルニア大学(バークレイ校)やシカゴ大学など、有力大学はそれぞれ特色あるティップスを開発しています。名古屋大学版ティーチングティップスも、早い機会にそれらの仲間入りを果たしたいものです。
 われわれは、このティップスが未熟であることは承知の上で、皆様の批判を仰ぐ決心をしました。作成に当たっては、これまで本学の共通教育に携わってこられた先生方の経験の蓄積‐「共通教育の方針・事例集」‐から多くのことを学んだことは言うまでもありません。あらためて感謝いたします。このティップスは、ホームページに電子テキストを作り、電子掲示板やメールで随時改善意見をいただく仕組みになっています。つまり「成長するティップス」を目指しているのです。全学の皆様からの、ご批判とご支援をお願いする次第です。