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ティップス先生からの7つの提案とは

本パートは、よりよい教育を実現するための具体的方法をまとめた『ティップス先生からの7つの提案』の5番目のパートです。これまで名古屋大学高等教育研究センターは、教員編、IT活用授業編、学生編、大学編、の4パートを発表し、教員、学生、大学組織が、それぞれの立場から教育の質向上のために何を実行したらよいのかを提案しています。

5番目にあたる本パートは、教務学生業務を担当する大学職員という立場から、よりよい教育を実現するための提案と具体的なアイディアをまとめたものです。これまで、個々の教員と学生では解決できない組織的な教育の質向上のための取り組みは、大学編にまとめられていました。大学編の中には、大学執行部、図書館職員、教務学生担当職員などの取り組みが総合的に含まれていました。今回、名古屋大学の高等教育研究センターと学務部学務企画課が協力し、教務学生担当職員は教育の質向上のために何ができるのかを検討し、独立したパートとしてまとめることができました。

大学教育の質向上という大学の目標を遂げるために、大学職員は重要な役割を担っています。考えてみれば、大学時代の学生の学習や発達は、授業という枠には収まらないものです。部活動、地域活動、留学なども学生を成長させる貴重な経験です。卒業生が自らの発達の源泉を語るとき、その範囲は授業という枠を大きく超えています。授業、課外活動、日々の大学生活など、学生の多様な活動に関わっている大学職員は、学生の発達のさまざまな側面を見ることができ、効果的に学生を支援することが可能なのではないでしょうか。

また、教務学生担当職員は学生にとってキャンパス内で身近に接する大人であり、社会人として働く姿を見ることのできる数少ない存在でもあります。教務学生担当職員がそのことを意識しながら学生と接することにより、社会に羽ばたく準備に一役買い、さらなる教育的効果を生むことも期待できるのです。

このパートでは、学内外での調査を通じて教務学生担当職員の優れた実践例を収集し、それらをこれまでの『ティップス先生からの7つの提案』の枠組みに基づいて整理し、簡潔な表現にまとめて提供しています。このサイトのねらいは、優れた実践と知恵を広く共有するための枠組みを提供することにあります。ですから、このパートに挙げている項目は、職員や部署の評価を目的とするものではなく、ひとりひとりの教務学生担当職員が日々の実践を少しずつ豊かにするための素材です。項目の中には資源や環境などが整っていないために、残念ながらすぐには実現できないものもあるかもしれません。それらは、どのようにしたら実現できるのかについての議論につながってゆけばと考えています。

教務学生担当職員編を制作するヒントになったのは、米国の2つの大学職員の専門職団体が共同開発した『学生担当職のための優れた実践の原則』でした。この既存の開発物を参考にしながら、コンセプトを発展させ、さらに日本の大学での活用をめざしたものが、この教務学生担当職員編です。開発にあたっては、年齢、キャリアも異なる多くの名古屋大学の教務学生担当職員からアイディアを収集し、一緒に検討を繰り返してきました。

このように開発した教務学生担当職員編が加わることにより、『ティップス先生からの7つの提案』には、学生、教員、職員という大学の主要構成員が揃いました。それにより、すべての構成員が教育の質向上という目的に向けて連携し協働するという『ティップス先生からの7つの提案』のコンセプトが、より明確になったと考えています。

 

 

開発スタッフ

名古屋大学高等教育研究センター

 戸田山 和久 
 夏 目 達 也 
 近 田 政 博 
 中 井 俊 樹 (プロジェクトチーフ)
 鳥 居 朋 子 (現在、鹿児島大学教育学部)
 齋 藤 芳 子 

名古屋大学学務部学務企画課