助教授
Associate Professor
鳥居 朋子
Tomoko TORII
torii@cshe.nagoya-u.ac.jp
052-789-5691
■プロフィール
三重県津市生まれ。子どもの頃は転校生として東海、北陸、四国、関東等、日本各地の学校文化を体験しました。 当時は慣れるのに大変でしたが、いま振り返ると良い思い出です。2003年3月名古屋大学大学院教育学研究科博士後期課程満期退学。2003年5月名古屋大学高等教育研究センター講師、2006年8月同センター助教授。 2005年3月〜6月 米国ハーバード大学デレク・ボク 教授学習センター客員研究員。 同年7月〜10月 米国ミシガン大学高等・ポストセカンダリー教育研究センター客員研究員。2006年3月博士(教育学)。
■専門領域
- 高等教育カリキュラム論
- 教育経営学
■現在の研究課題
- 大学におけるカリキュラムマネジメント、授業設計および教授法
現在は、おもに大学におけるカリキュラムの質的改善に関する研究を進めています。とくに、学士課程の教養教育に関しては、多様な学問領域を背景とする教師たちが個々の授業の実施主体となるため、 全体的な見地から学生の学習意欲を高め、知識の獲得を促すようなカリキュラムの開発が求められています。 カリキュラム開発に関する国内外の優れた理論モデルおよび実践に学びつつ、 個々の授業の連関やコース配列の最適化をはかるための方法論を練り上げ、 その成果を教育現場に還元していきたいと思っています。
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海外の高等教育機関におけるインスティチューショナル・リサーチ(IR)
アメリカやオーストラリア等の高等教育機関におけるIRに関する比較研究を行っています。 機関レベルのプランニングと連動したデータ分析や評価活動等のすぐれた実践を手がかりに、 個々の高等教育機関における IRの機能および役割、具体的手法、組織体制、 意思決定とのかかわりや諸課題等に注目しています。とくに、IRと教育プログラムやカリキュラム開発との相互関係を探究し、カリキュラムマネジメントの研究に活かしていきたいと考えています。
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戦後日本における大学管理制度および自治機構
博士学位論文(「戦後教育改革期における大学の自律的な組織運営に関する研究」)では、日本の大学をとりまく環境が大きく変化した第二次世界大戦後初期に注目し、 個別大学に残された議事録等の史料にもとづきながら、 当時の大学が自律的な組織運営システムを構築するうえでいかなる問題に直面していたのかを、実証的に解明しました。 これら歴史的研究の成果に基づき、21世紀初頭の大学の自律性を担保するような組織運営システムの設計や運用のあり方を追究していきたいと思っています。
■メッセージ
大学という組織のダイナミクスに興味を抱きつづけています。カリキュラムもそのひとつです。けっして平面的で静的なものではなく、学習者がカリキュラムという名の「地図」を用い個々の学習デザインを描いてはじめて、それらは立体的に浮かび上がって活き活きと動きだすような印象を持っています。 教員だけではなく、学生のみなさんも、自分たちのカリキュラムについて考えてみませんか?
不思議だな、面白いな、というシンプルな気づきをたいせつにして、大学にかかわる人びとのために少しでもなにかを生み出していければ、と思っています。
■活動データ (2000年以降の主なもの)
・教育活動
<学士課程>
- 基礎セミナーB−自分の将来を展望しながら大学時代のプランを描く(2006年度)
- 基礎セミナーB−自分のキャリア・プランを描く (2004年度)
- 全学教養科目−未来の大学像をつくる(2004年度)
・研究活動
<論文等>
- 鳥居朋子「研究総合大学における教養教育カリキュラムの開発に関する考察−米国ミシガン大学アナーバー校の事例を手がかりに-」『名古屋高等教育研究』第6号、2006年、93−112頁。
- 鳥居朋子「大学における教養教育カリキュラムの比較研究の視座」『大学における教養教育カリキュラムの比較研究』(名古屋大学総長裁量経費研究報告書)名古屋大学高等教育研究センター、2006年、1−4頁。
- 鳥居朋子「名古屋大学全学教育カリキュラムの変遷における課題と論点」『大学における教養教育カリキュラムの比較研究』(名古屋大学総長裁量経費研究報告書)名古屋大学高等教育研究センター、2006年、7−21頁。
- 鳥居朋子「ハーバード大学における学士課程教育カリキュラム - (1)コア・カリキュラムに関する特質」『大学における教養教育カリキュラムの比較研究』(名古屋大学総長裁量経費研究報告書)名古屋大学高等教育研究センター、2006年、135−146頁。
- 鳥居朋子「ハーバード大学における学士課程教育カリキュラム - (2)一般教育カリキュラムの開発プロセス」『大学における教養教育カリキュラムの比較研究』(名古屋大学総長裁量経費研究報告書)名古屋大学高等教育研究センター、2006年、147−167頁。
- 鳥居朋子「米国ミシガン大学における優れた授業実践および『7つの原則』の推奨ー新任教員オリエンテーションのFD活動を通じてー」『「ティップス先生からの7つの提案」の開発』(特色GPシリーズ(3))』名古屋大学高等教育研究センター、2005年9月、37−45頁。
- 鳥居朋子「クライストチャーチ教育大学におけるFD活動」『学生・教師の満足度を高めるためのFD組織化の方法論に関する調査研究 中間報告書』(平成16〜17年度科学研究費補助金 基盤研究(B)(2)、研究代表者:夏目達也)、2005年、82−95頁。
- 鳥居朋子「米国インディアナ大学ブルーミントン校におけるFD−Scholarship ofTeaching and Learning (SOTL)の取り組みに着目して−」『大学におけるFD・SD(教員職員資質開発)の制度化と質的保証に関する総合的研究』(平成14〜16年度科学研究費補助金 基盤研究(A)(1)、研究代表者:有本章)、2005年、69−82頁。
- 鳥居朋子「大学におけるインスティチューショナル・リサーチの実効性に関する考察 −米国及び豪州の事例を手がかりに−」 『名古屋高等教育研究』第5号、2005年、185−203頁。
- 鳥居朋子「戦後教育改革期における上原專祿の大学教育論−実業教育への内省に基づく一般教育論の展開−」 『名古屋高等教育研究』第4号、2004年、147−168頁。
- 中島英博・キース J.モーガン・鳥居朋子・小湊卓夫・池田輝政「国立大学における規模および範囲の経済性に関する実証分析」 『名古屋高等教育研究』第4号、2004年、91−104頁。
- 鳥居朋子「戦後教育改革期における東京工業大学のアドミニストレーション− 『系』を基礎とする自律的な組織運営に着目して−」 『名古屋高等教育研究』第 3号、2003年、137−158頁。
- 中井俊樹・鳥居朋子・酒井正彦・池田輝政「名古屋大学における経営情報システムの構築」 『名古屋高等教育研究』第3号、2003年、47−65頁。
- 中島英博・中井俊樹・近田政博・鳥居朋子・池田輝政「『ゴーイングシラバス』を通して見える新しい授業空間 −授業マネジメントツールの開発と教育改善効果−」 『名古屋高等教育研究』第3号、2003年、66−81頁。
- 鳥居朋子「大学教育と生涯学習支援活動の現状と課題−学士課程における『教養教育』の再構築にむけて−」 『日本福祉大学生涯学習センター年報』第4号、 2002年、30−39頁。
- 鳥居朋子「戦後初期における大学管理制度改革をめぐる議論の展開−大学基準協会の大学自治運営『折衷方式』案を中心に−」 『教育制度学研究』第8号、 2001年、159-173頁。
- 鳥居朋子「戦後東京商科大学における自律的組織運営基盤に関する問題−『上原構想』に基づく改革過程に注目して−」 『名古屋大学大学院教育発達科学研究 科紀要(教育科学)』第47巻第1号、2000年、103−114頁。
<学会報告>
- Tomoko Torii: Lost in Translation? Adapting the "Seven Principles for Good Practice in Undergraduate Education" to the Japanese Context, Browm Bag Seminar at the Center for the Study of Higher and Postsecondary Education, The University of Michigan, Ann Arbor, MI, U.S.A., October 19,2005.
- 黒田光太郎・近田政博・鳥居朋子・夏目達也「新しい教養教育実施組織下での授業実践の課題−名大教養教育院における授業評価アンケートとその活用−」日本高等教育学会第8回大会、九州大学、2005年5月22日。
- 中島英博・鳥居朋子・近田政博「社会人学生に有効な授業設計の方法論」日本高等教育学会第7回大会、國學院大學、2004年7月25日。
- Tomoko Torii and Toshiki Nakai: Institutional Management in the National Universities of Japan, 44th Annual Forum of the Association for Institutional Research, Boston, U.S.A., May 31, 2004.
- 中井俊樹・鳥居朋子・池田輝政「戦略的な経営情報システムの開発と大学へのインパクト−『名古屋大学マネジメント情報』の事例を通して−」 日本高等教育学会第6回大会、神戸大学、2003年5月24日。
- 鳥居朋子「戦後教育改革期における東京工業大学のアドミニストレーションシ ステム−『系』を基礎とする組織運営に着目して−」 日本教育学会第61回大会、 福岡教育大学、2002年8月30日。
- 鳥居朋子「戦後教育改革期における上原専禄の大学教育論の基底と構造−『実業教育』への内省に基づく『一般教育』論の展開に着目して」 日本教育学会第60回大会、横浜国立大学、2001年8月29日。
- 鳥居朋子「新制大学形成期における大学管理制度改革の理論的課題−大学基準協会の大学自治運営方式案をめぐる議論を手がかりに−」 日本教育制度学会第8回大会、山形大学、2000年11月5日。
<講演・FD活動>
- 鳥居朋子(コメンテーター)「人文学講義の来し方行く末」(FD教員集会)、名古屋大学文学部・文学研究科内プロジェクト「文学部共通コア・カリキュラムの研究と開発」共催、名古屋大学文系総合館カンファレンスホール、2006年2月24日。
- 鳥居朋子「授業デザインの発想が導く教授学習の改善」(講演)常葉学園大学第一回授業改善セミナー、常葉学園大学キャンパス、2006年2月15日。
- 鳥居朋子「授業デザインの一歩:学生をひきつけるシラバスII」(講演)三重中京大学短期大学部FD研修会、三重中京大学キャンパス、2005年11月28日。
- 鳥居朋子「授業デザインの一歩:学生をひきつけるシラバスI」(講演)三重中京大学FD研修会、三重中京大学キャンパス、2005年11月16日。
- 鳥居朋子「授業づくりの工夫:ファーストステップとしてのシラバス設計」(ワークショップ)創価大学授業技法ワークショップ、創価大学キャンパス、2005年2月23日。
- 鳥居朋子「シラバスを起点とした授業デザインのステップ」(セミナー)愛知江南短期大学教育懇談会、愛知江南短期大学キャンパス、2005年2月14日。
- 鳥居朋子「ゴーイングシラバス−授業デザインのステップ」(セミナー)法政大学FDセミナー第2回、法政大学市ヶ谷キャンパス九段校舎、2004年11月6日。
- 鳥居朋子「自分の大学を見つめ直そう−SWOT分析」(ワークショップ)大学管理行政学会第2回マネジメントセミナー、日本福祉大学名古屋キャンパス、2004年1月24日。
- 鳥居朋子「大学のストラテジックプランニングにおけるSWOT分析」(ワークショップ)日本福祉大学セミナー、日本福祉大学半田キャンパス、2003年9月29日。
<研究制作物>
- 名古屋大学評価情報分析室『名古屋大学マネジメント情報』2002年。
- 名古屋大学高等教育研究センター『プロフェッショナルスクールのための授業設計ハンドブック』2004年。
・その他の活動
- 名古屋大学教養教育院評価専門委員会専門委員(2003-2004年度、2006年度-)
- 名古屋大学教養教育院基礎セミナー部会委員(2006年度-)
- 名古屋大学キャンパス情報ネットワーク技術専門委員会委員(2003年度)
- 名古屋大学農学国際教育協力研究センター学内研究員(2003-2004年度)
- 名古屋大学セクシャル・ハラスメント防止対策委員会委員(2004年度)