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ティップス先生からの7つの提案とは

このサイトは、名古屋大学の学生・教員・大学組織がよりよい教育を実現するための提案と具体的なアイディアをまとめたものです。

名古屋大学の先生方は、すでにさまざまな優れた授業を実践しています。本サイトは、主に学内での調査を通じて収集した教育実践例をデータベース化し、教授法研究や学習理論研究の成果に基づいて、それらを整理し、簡潔な表現にまとめて提供するものです。

このサイトのねらいは、教育評価の基準を提供することではなく、名古屋大学に埋もれていた優れた教育実践とそのための知恵を明示化し、大学の全構成員が共有するための枠組みを提供することにあります。優れた授業を通して教育効果を高めるためには、学生・教員・大学組織の三者の努力が同じ方向に向かって統合されていく必要があります。授業改善を教員の努力のみに求めることは効果的とは言えません。大学組織の支援も重要ですし、学生が主体的に授業に参加する姿勢をもつことも大切でしょう。

たとえば、オフィスアワーを例にとってみましょう。最近多くの大学では、オフィスアワーが導入されていますが、必ずしも学生の利用が期待どおりには進んでいないと言われています。オフィスアワーを通した教育が、より充実したものになるためには、まず大学組織はオフィスアワーを制度化するだけでなく、教員と学生が気軽に話せる場所を提供することが大事です。また、教員も単にシラバスにオフィスアワーの時間帯を示すだけでなく、授業の中で「気軽に研究室に来なさい」と伝えたり、研究室のドアを開放して歓迎の意思表示を行うことが必要でしょう。さらに学生自身も授業でわからないことをそのままにしないで、教員の研究室に足を運ぶといった積極的な学習態度を身につける必要があります。こうした三者の取り組みがお互いを支え合ったときに、はじめて目標が達成されるのです。

 

図 大学教育の質的向上を支える学生・教員・大学組織

 

以上のような考えに基づいて開発したため、『ティップス先生からの7つの提案』は教員向け、学生向け、大学組織向けの三パートからなっています。それぞれ教員、学生、大学組織がよりよい授業を実現するために、役に立つ提案を7つの短い文章にまとめ、それぞれの提案のもとにすぐにでも実行可能なアイディアを7つずつ配置しました。それぞれのパートは、他の2つのパートと内容的に関連づけられており、教員、学生、大学組織の三者の視点から同じ目標が達成されるようになっています。また、『ティップス先生からの7つの提案』という名称をつけた理由は、高等教育研究センターにおいてすでに開発された授業の秘訣集である『成長するティップス先生』と本サイトが相互に補完的関係にあるためです。

本サイトを制作するヒントになったのは、米国高等教育学会で開発された『優れた授業実践のための7つの原則』でした。この原則を参考にしながら、日本の大学での活用をめざし、名古屋大学が蓄積してきた事例、独自の調査、教授・学習理論研究の成果を用いた結果、オリジナリティの高いものが作成できたと自負しています。