はじめに
「学識ある市民」をめざして
自発的に学ぼう
本号の構成

1.授業から学ぶ

2.本から学ぶ

3.人から学ぶ

4.学習習慣をつける
コラム

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4.学習習慣をつける

4.1 学習中心の生活をしよう

 新入生のあなたは、きっと高校時代までの厳しい受験勉強や校則から解放された気分を満喫していることでしょう。しかし、大学でもすぐに授業が始まります。高校時代の反動から、あまりにも生活が不規則になると、大学での勉強に支障をきたすようになります。



 これまで名大の先輩たちが経験した学習上の問題点について聞いたところ、その三大要素は、自己管理ができないこと、勉強の方法がわからないこと、将来の目標が見えないこと、の3点でした。このうち新入生が最初に直面する問題は、日常の自己管理、つまり、どうやったら日常生活の中に学習の習慣をつけるかということです。その方法をいくつか紹介しましょう。

ティップス43  グズグズしてしまう原因をつきとめろ

 大学生の本分は学習中心の生活を送ることです。まずは、学習のための時間をきちんと確保することが大事です。誰しもグズグズしてしまうことがあります。朝起きられない、大学に行く気になれない、授業をサボってしまう、机に向かう気になれないなど、頭ではわかっているけど体が言うことをきかないという経験は、新入生のあなただけではなく、実は多くの教授陣も学生時代に同じような体験をしています。自己嫌悪に陥っているのはあなただけではありません。

 人はなぜグズグズしてしまうのでしょうか。たとえば、携帯電話、ゲーム、パソコン(インターネット)、マンガなど、学習中心の生活から逃避するための誘惑が周りにたくさん存在していませんか。これらにハマってしまうと、とめどもなく時間を消費してしまいます。現代は、昔に比べて誘惑するものが格段に増えているので、それだけ学習時間を確保するのが心理的に難しくなりつつあります。

ティップス44  ちゃんと授業に出よう

 ひょっとしたら、みなさんは周りから「大学では好きな授業だけ出ればいいのだ」という体験談を聞いたことがあるかもしれませんが、それは昔の話になりつつあります。今日の大学は「受講した授業はきちんと出席する」ところになっています。現に、名大生のうち授業に9割以上出席しているという学生が全体の約3分の2に上るという調査結果があります。

 授業にちゃんと出席することには意味があります。その理由はいろいろあります。

  • 聞き逃した1回分の授業を自分で学習するのは不可能に近い

  • 1度サボると、わからない内容が増えるので、サボる癖がつきやすい

  • 遅刻したり、サボったりしても、大学では誰も注意してくれない

 このように、授業に出ることは大学での学習活動の基本です。

コラム:グズグズしてしまうワケ
ティップス45  毎日一度は机に向かおう

 一日一度は机に向かう習慣をつけましょう。宿題がないときは好きな読書でもいいのです。日記でも構いません。最初は30分や1時間でもよいのです。決まった時間の、決まった場所で机に向かうという「お約束」のパターンを自分に習慣づけるとよいでしょう。大学に来たついでに図書館に立ち寄る習慣をつけるのもよいでしょう。

 授業があるときは宿題などがあって机に向かう機会も多いと思いますが、夏休みなどの授業がないときにも、机に向かう習慣を絶やさないようにしましょう。そのためには、休暇中の学習計画を自分なりに立てるといいでしょう。



【先輩からのアドバイス】

  • まずは授業に出ること。授業に出ないことには、その授業がどのようなものかわからない。たとえシラバスを読んで、つまらなそうな授業でも、教える人がおもしろかったりしたら、その授業の内容に興味を持てるかもしれない。興味を持てるかどうかは授業に出てみないとわからない。(農)

  • 生活のリズムを崩さない。大学生活を続ける上で、生活のリズムを一定に保つことは大いに役に立ちます。栄養のあるものを食べ、体調を崩さないようにしましょう。また、夜寝る時間、朝起きる時間を一定にすることも、大学で頭を十分に働かせるために必要です。(情文)

  • 「時間は無制限ではない」ということを認識してほしい。勉強する時は集中して勉強し、早めに終わった時はその時間を自分の使いたいように使う。そうすればメリハリのある生活が送れるだろう。ダラダラと何時間も使って勉強していては、せっかくの青春時代がもったいない。時間効率を考えて勉強することが大切である。(農)

  • 時間をデザインするということは非常に重要だ。1週間後、1ヶ月後、半年後、1年後…とだんだん先の予定を考えることで、今必要な時間を作り出す。これが時間をデザインすることだ。時間は自分の命そのものだから、とにかく後輩達に大切に使ってもらいたいと思う。(農)

  • 部活、サークル、セミナーなど、大学ではいろいろなことに手を出す方がよい。自分の視野が広がり、人間関係、自己実現など、人間として成長する糧となる。さまざまなことにチャレンジするためには時間を自己管理していく必要がある。大学生のうちからしっかり時間の活用を行っていれば、将来忙しくなってからでも有意義に生活できるものと思われる。(理)

【教員からのアドバイス】
  • 小さなことでよいから、楽しいことをいくつか見つけておく。早寝早起きを心掛ける。日曜日もリズムを崩さない。リズムを崩したらくよくよしないで、楽しいことを行って気楽に立て直す。

  • 睡眠時間を優先的に確保する。目覚まし時計で嫌々起きたあげく、授業中に机に突っ伏して寝る…などということがないようにする。睡眠は布団の中の方がずっと気持ちよいことに気づくべき。

  • アルバイトは週15時間以内にとどめてください。私の実感からもそう言えますし、昔いたアメリカの大学ではそのようなガイドラインがありました。

  • 毎日、体を動かす習慣をつける。ストレッチでも散歩でもジョギングでもよい。

  • 多少金額が張っても気に入った文具類を身の回りに整える。清潔な身なりをする。人前に出るときは元気な顔で出られるように、鏡を部屋に置き,外出の際は自分の姿、顔色を眺める。疲れた顔をしているときは十分休養する。

  • 朝ご飯をきちんと食べる。

  • 授業料の金額から講義の単価を割り出し、毎回の講義にこれだけのお金を払っているということを意識して講義に臨む。

  • 午前でも午後でも、たとえ短くても構わないので、自分の集中力が一番高まる時間帯がいつなのかを把握する。そして、それがわかったら、毎日その時間帯を、本を読んだり、書き物をしたりといった具体的な学習活動にあてる。ただし、食事の時間、お風呂の時間、睡眠時間にはくい込まないように。これはこれでとても大事ですから。

  • インターネット上のブログに「大学生活日記」を毎日つけ、自分が学んだことを何でも書くようにする。




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