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ティップス先生からの7つの提案とは

本サイトは、名古屋大学高等教育研究センターがよりよい教育を実現するための具体的方法をまとめた『ティップス先生からの7つの提案』の6番目のパートです。これまでに、教員編、IT活用授業編、学生編、大学編、教務学生担当職員編の5サイトを発表し、教職員、学生、大学組織がそれぞれの立場から教育の質向上のために何を実行したらよいのかを提案してきました。

6番目にあたる本サイトには、大学院の学生であるみなさんがよりよい学習を実現できるような提案と具体的なアイディアを掲載しました。学内外におけるさまざま調査を通じて収集した大学院生の優れた実践例をこれまでの『ティップス先生からの7つの提案』の枠組みに基づいて整理し、簡潔な表現にまとめて提供しています。

大学院で「学習する」という言葉遣いには違和感を覚える人もいるでしょう。実際に、大学院生のほとんどは自ら率先して研究を行い、知的成果を出すことを求められています。このサイトにも研究活動を進めるうえで有効なアイディアを数多く収録しました。ただし大学院に在籍する意義は、新たな知識を生み出すこと、その手法を会得することにとどまりません。生み出された知識はどのように伝えられ用いられるのか、そのためにはどのような環境や仕組みが望まれるのか知識生産を核とする広がりのある世界に目を向け、よりよい状況を作り上げていく能力を身に付けることは、大学院ならではのものといえます。専門家として自立するための訓練といってもよいでしょう。このような大学院における学習には、自らの専門的能力を将来どのように生かしていくのかというキャリア形成の観点も含まれます。

このサイトは次のような人に読んでもらいたいと思って作りました。大学院に進学はしたものの、どのように学習を始めたらよいかわからない人。大学院における学習もしくは生活が事前の期待や予想と違ってとまどっている人。大学院生としての日々が充実してきてもっと楽しみたくなった人。ここに収められているアイディアを取り入れることで、学習の成果や今後のキャリアをより豊かにできるように考えました。

このサイトのねらいは、優れた実践と知恵を広く共有するための枠組みを提供することにあります。ですから、このサイトに挙げている項目は、みなさんの学習の状況を評価するためのものではなく、ひとりひとりの大学院生が日々の実践を少しずつ豊かにするための素材です。項目の中には、残念ながらすぐには実現できないものもあるかもしれません。その場合でも、どのようにしたら実現できるのかという考察や議論、さらには具体的な取り組みにつなげてもらえたらと思っています。

本サイトの制作にあたっては、海外の事例も参考にしながら、日本の大学院の状況に即するよう心がけました。名古屋大学の大学院に在籍する学生の協力を得て多数の実践例を集め、−緒に検討を行ったのもそのためです。さらに、名古屋大学教員からも数々のご助言をいただいています。

日本の大学院教育はいま変革の時を迎えていると言われ、課程修了後のキャリアの築き方も多様になってきています。本サイトが、皆さんの大学院における実り豊かな学習とその後の活躍の−助となれば幸いです。



開発スタッフ

名古屋大学高等教育研究センター

木 俣 元 一 
夏 目 達 也 
近 田 政 博 
中 井 俊 樹 
齋 藤 芳 子 (プロジェクトチーフ)
西 原 志 保