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1.授業から学ぶ 1.2 学習意欲を高めるような時間割をつくろう
みなさんは、どんな理由でこの大学・学部を選びましたか。大学で何をやりたいと考えたのでしょうか。進路を決めた時のことを思い出してみてください。みなさんの中には、偏差値のレベルや専門分野に対する一般的なイメージから学部を選択した人が少なくないと思います。しかし、せっかく入学したのだから、大学・学部がどんな人材を養成しようとしているかを知っておいても損はないでしょう。
みなさんが進学する予定の学部には、それぞれ教育目標が定められています。そして、その教育目標を達成するための教育内容としてカリキュラムが設計されています。まずは、学部ごとに配布されている『学生便覧』あるいは各学部のホームページを開き、あなたが進学する学部では、どんな科目が提供されているのかをみてみましょう。自分の学部がどんな教育目標を掲げ、それを達成するためのカリキュラムがどのような仕組みになっているのか、知っておくとよいでしょう。どこの学部でも、最初は基礎科目や教養科目からなる全学教育科目が大部分を占めています。次第に学部の専門授業が増え、4年次にはいくつかの学部で卒論・卒業研究が課されます。
名古屋大学に入学したばかりのあなたが最初に授業を受ける場所は、主として全学教育棟というところです。全学教育科目が学部の専門科目と異なるのは次の点です。
たとえば、全学教育には「基礎セミナー」という授業があります。大学生に必要な読み、書き、話す能力の基礎トレーニングと学問探究のおもしろさを少人数で学ぶ授業で、全学教育でもっとも人気のある授業の一つです(なんと年間約280も開講されています)。各セミナーは12名定員で、教員に加えてティーチング・アシスタントの大学院生も配置されています。新入生用のゼミがこれほど少人数制で大規模に実施されているのは、全国の大学でも珍しいのです。多くの基礎セミナーでは他学部の新入生と知り合い、共通のテーマについて調べたり、話し合ったりする機会があります。
それでは実際に、どんな授業を選択したらよいでしょうか。名古屋大学では「全学教育科目シラバス」をオンライン上に公開しています。シラバスとは授業計画のことです。これをみると、授業の目的・ねらい、履修条件、授業内容、成績評価の方法、教科書、参考書、注意事項などについて知ることができます。まずは、授業目的や授業内容を読んで、あなた自身の知的好奇心がかき立てられるような授業があれば、ぜひその授業を受講することをお勧めします。 ![]()
また、せっかく全国有数の総合大学に入学したのですから、進学予定の学部とは直接関係のない科目も、1〜2年生のうちにぜひ積極的に受講してみてください。たとえば、工学部の学生が芸術の授業を履修したり、法学部の学生が建築史について学ぶことが名古屋大学では可能なのです。これはすばらしいことだと思いませんか。あなた自身の学習意欲を高め、人間としての視野を広めるような時間割を組むことが大事なのです。
授業を履修するときに注意すべきことは、あまりにも多くの授業をとりすぎない、ということです。できれば、空き時間をいくつか作っておきましょう。その時間に予習・復習したり、図書館や生協に行って必要な文献をチェックしたり、教員の研究室を訪ねたり、わからない練習問題について友人に相談したり、キャンパスを散策して気分転換することができるからです。
大学での授業履修は、単位をコツコツと積み重ねていくことでもあります。しかし、単位をどうやって揃えるかというテクニックだけで授業を履修するのは、本当にもったいない。単位をとることは大学を卒業するために必要なことですが、それ自体が目的ではないからです。本当に大事なことは、授業を通してあなたの知識、技術、態度、価値観、感性を磨くことです。そして学ぶことのおもしろさを体感することなのです。
【先輩からのアドバイス】 |
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